三重県三重郡菰野町にある臨済宗妙心寺派の古刹、禅林寺。寺伝によれば、天智天皇5年(666年)、聖徳太子の遺願で藤原鎌足(ふじわらのかまたり)が創建した大強原山盧遮那寺がルーツという古刹で、中世には千種忠顕(ちくさただあき)が禅林寺城を構えた場所です。
千種城主・千種氏の歴史を今に伝える古刹
盧遮那寺は、その後荒廃し、元弘年間(1331年~1334年)、後醍醐天皇に仕えた公家・千種忠顕(ちくさただあき)が、堂宇を再建していますが、応仁の乱の兵火で焼失。
千種忠顕は、禅林寺城を構えますが、伊勢と近江を結ぶ千草越えの要衝にあたる千種城(現・菰野町千草)に移ったため廃城となり、寺は千種家の菩提寺となりました(千種家は大坂夏の陣で討死し、千種家は断絶、千種城も廃城に)。
文亀3年(1503年)、5代目城主・千種治庸が、普照大光禅師を招き再興し、天台宗から臨済宗に改宗しています。
永禄11年(1568年)、北勢に侵入した滝川一益(たきがわかずます)率いる織田信長軍の兵火により焼失(この時、滝川一益は北勢四十八家を中心とする諸家を滅ぼし、千種家も織田家の軍門に下っています)。
現存する庫裡は幕末の嘉永3年(1850年)の再建。
本堂は菰野城書院の一部を移築したものでしたが、老朽化で改築されています。
本尊・金剛界大日如来像は南北朝時代の作と推定され(千種忠顕堂宇再建の際に寄進)、菰野町の文化財に指定。
禅林寺 | |
名称 | 禅林寺/ぜんりんじ |
所在地 | 三重県三重郡菰野町下村191 |
関連HP | 禅林寺公式ホームページ |
電車・バスで | 近鉄湯の山線桜駅からタクシーで10分 |
ドライブで | 新名神高速道路菰野ICから約5km。東名阪自動車道四日市ICから約6km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 禅林寺 TEL:059-393-2040/FAX:059−393−2040 |
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