三重県津市大門にある真言宗醍醐派の古刹が津観音。正式名は恵日山(えにちざん)観音寺大宝院で、浅草寺(東京都台東区)、大須観音(愛知県名古屋市)とともに日本三大観音に数えられています。本尊は聖観音菩薩ですが、「国府阿弥陀如来」と呼ばれる三尊像(秘仏)が有名で毎月18日、正月三が日に御開帳されています。
本尊の聖観音立像は日本三観音のひとつ
寺伝によれば奈良時代の和銅2年(709年)、伊勢・阿漕ヶ浦(あこぎがうら)の漁夫の網に聖観音立像がかかり、これを本尊として開山したのが始まり。
この創建伝承は浅草寺に似ています。
往時には現在の津市柳山にありましたが、明応7年(1498年)の大地震で現在地に移転しています。
永禄8年(1565年)、織田軍の南伊勢侵攻による北畠軍との合戦の際、兵火に巻き込まれ焼失。
津城主となった織田信包(織田信長の弟)は、天正8年(1580年)、伊勢国の初期の国府(現・鈴鹿市国府)にあった国府阿弥陀如来、両脇侍を遷しています。
この国府阿弥陀如来は、神仏習合の江戸時代に伊勢神宮天照大神の本地仏(ほんじぶつ=日本の八百万の神々は、実は様々な仏が化身として日本の地に現れた権現とする考えから、本来の仏の意)として、江戸まで出張して開帳するほどの人気がありました。
伊勢参り(お蔭参り)の大ブームが起こった際にも「阿弥陀に詣らねば片参宮」(「津に参らねば片参り」)と呼ばれるようにもなりました。
慶長13年(1608年)、藤堂高虎の津城入城後は、津城の鬼門封じの寺としても重視され、観音堂などの諸堂が再建されています。
旧国宝の観音寺本堂など塔頭7ヶ寺を含む41棟の大伽藍は昭和20年7月28日の津大空襲で焼失。
現存する建物は戦後の再建です。
ちなみに浅草観音、大須観音とならび日本三観音の一つとされるのは本尊の聖観音立像(しょうかんのんりつぞう)です。
伊勢の津七福神の毘沙門天を祀っています。
境内の津観音資料館では空襲での焼失を免れた宝物600点を年4回に分け展示
名称 | 津観音(観音寺)/つかんのん(かんのんじ) |
所在地 | 三重県津市大門32-19 |
関連HP | 津観音公式ホームページ |
電車・バスで | 近鉄津新町駅からタクシーで6分 |
ドライブで | 伊勢自動車道津ICから約4km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | TEL:059-225-4013/FAX:059-226-7057 |
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