犬山駅(愛知県犬山市)と御嵩駅(みたけえき/岐阜県可児郡御嵩町)を結ぶ、名鉄広見線。途中の新可児駅(しんかにえき/岐阜県可児市)〜御嵩駅間(7.4km)が、利用者が少ないことを受け、存廃の岐路に立っています。赤字補填を行なう地元自治体と名鉄で協議が行なわれ、2025年6月に結論が出される見込みです。
100年の歴史を誇る「東濃の足」が存続の危機に
支線の多いことで知られる名古屋鉄道(名鉄)。
犬山駅〜新可児駅は名鉄、新可児駅〜御嵩駅は初代・東濃鉄道によって開業した
路線で、東濃鉄道部分は当初、軌間762mmの軽便鉄道(ナローゲージ)でした。
開業から100年以上の歴史ある路線で、東濃の足として活躍してきましたが、途中の明智駅から名鉄・八百津線(やおつせん)が分岐していましたが、八百津線は2001年に廃止されています。
廃止が検討されている新可児駅〜御嵩駅の利用者は、半分以上が通学の高校生ら。
2023年度は78万4000人で、2050年度には60万人を割ると想定されています。
現在、2億円の赤字が生まれているため、沿線の御嵩町と可児市が合計1億円(御嵩町7000万円、可児市3000万円)を支援し、赤字を補填、公共交通機関を確保してきました。
鉄道施設の老朽化も進み、名鉄は今の枠組みでは維持が困難として「2025年度限りで地元の一部負担により存続させるという協定を更新しない方針」を御嵩町、可児市に伝えていました。
周辺では3セクの長良川鉄道も、観光列車を走らせ、観光誘致などに尽力するものの、利用者はピーク時の半分以下に゙減少、開業以来39年間、一度も黒字になったことがありません。
通勤、通学の足の確保、そして免許返納後、病院に行くこともできなくなる人も多く、バス運転手の不足する昨今、もし廃止となった際の代替交通の確保も課題となります。
沿線自治体のさらなる負担で存続させるのか、路線バスに転換するのか。
目下絞られている2案は、
- バス転換
- 名鉄が運行を継続し、沿線自治体が路線の土地や施設、車両を所有するとみなして修繕や設備投資の費用を負担する「みなし上下分離」方式で路線維持
の2案で、6月に決着が付く見込みです。
名鉄広見線が廃止に!? | |
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