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北前船がもたらした越前三国「にしさか」の酒まんじゅう【福井県坂井市】

「にしさか」の酒まんじゅう

越前三国(福井県坂井市三国町)で、海の幸に並び有名なのが「酒まんじゅう」です。もち米と糀(こうじ)で自然発酵させた「酒まんじゅう」は、ほんのり甘酸っぱい皮と、上品に練り上げたこし餡、ほのかな酒の香りが魅力です。実は、この酒まんじゅう、北前船がもたらした味!

北前船が運んだ琉球の砂糖が鍵!

江戸時代から日本海交易の北前船寄港地として栄えた三国湊(みくにみなと)。
明治の中期まで、日本の物流は、日本海側がメインで、それを担ったのが北海道〜大阪、沖縄を結んだ北前船です。
酒まんじゅうが誕生したのもその頃で、蝦夷地(北海道)の昆布などを琉球(沖縄)に運んだ帰り船での積み荷として砂糖などが運ばれたことが重要な要素。

製法は中国から伝わったとも、北前船の船頭たちが伝えたともいわれていますが、その美味しさが評判となって、三国湊には数軒の酒まんじゅうの店「酒万寿や」が誕生しました。

三国の「酒まんじゅう」は餅米と糀(こうじ)で甘酒を造り、それを熟成させ、酒の香りが強く出たところで小麦粉を加え、さらに発酵熟成させた種に、充分練り上げたこし餡(あん)を包んで蒸すという手の込んだ本格派。

そんな越前三国の酒まんじゅう屋は、それぞれの店のオリジナルの焼き印があります。
大正10年に創業の老舗「酒万寿処にしさか」の酒まんじゅうには、創業者、西坂長次郎の一字を取り、「長」の焼き印が付つけられています。
本来は冠婚葬祭用に配る引き出物で、店が大忙しになるのは、祭りや結婚式の多い春や秋。

三国芦原電鉄の福井口〜三国町(現在のえちぜん鉄道)が開通したのが昭和4年で、みやげとして注目され始め、三国に海水浴客が押し寄せていた昭和30〜40年代には「越前三国酒まんじゅう業界」のピークを迎えています。
「当時は25軒前後あったと聞いています。今は6軒になりました」(酒万寿処にしさか3代目の西坂優さん)。

今でも毎年5月19日〜5月21日の3日間開催される北陸三大祭『三国祭』(三國神社例祭)の時には行列状態になります(北陸三大祭=石川県七尾市・青柏祭、富山県高岡市・御車山祭、福井県坂井市・三国祭)。
「北前船で財を築いた豪商たちが婚礼や祭りなどで振る舞って発展したんです」と、越前三国の店の主人は口を揃えます。
「婚礼時に今でもまんじゅうを蒔くのですが、これも当然酒まんじゅうです」
北前船の寄港地である富山や高岡にも酒まんじゅう屋があり、酒まんじゅうは北前船がもたらした文化というわけなのです。

昔ながらの製法でつくるため、硬くなりやすいのが難点。
「硬くなったら天ぷらにすればOKです」
なーるほど。
越前三国に行く機会があれば、ぜひお試しを。
「酒万寿処にしさか」では地方発送も可能とのことなので、電話で問い合わせを。
楽天市場でも扱っている店があります。

福井県では冬場に水ようかんを食べるという習慣があり、酒万寿処にしさかでも11月初旬〜3月中頃までの冬季限定で水ようかんを販売(箱に直接水ようかんを流し込む箱売りです)。

酒万寿処にしさか
名称 酒万寿処にしさか/さかまんじゅうどころにしさか
所在地 福井県坂井市三国町北本町4-2-14
関連HP 酒万寿処にしさか公式ホームページ
電車・バスで えちぜん鉄道三国駅から徒歩5分
ドライブで 北陸自動車道丸岡ICから約17km。または、福井空港から約12km
問い合わせ 酒万寿処にしさか TEL:0776-82-0458/FAX:0776-82-7778
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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三国温泉ゆあぽ~と

福井県坂井市、かつては北前船の出入りで栄えた三国港、三国サンセットビーチの南端に位置する温泉施設が、三国温泉ゆあぽーと。日本海と九頭竜川に面する絶好のロケーションで、大きく窓が取られたふたつの大浴場からの眺望が自慢です。とくにここからの夕景

 

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