宮崎県宮崎市、高岡町中心部の北側に広がる丘陵を利用した公園が天ヶ城公園(あまがじょうこうえん)。本丸、二の丸、三の丸などからなる天ヶ城の城跡一帯が公園として整備され、本丸跡の高台に、天守をかたどった「宮崎市天ヶ城歴史民俗資料館」(入館無料)が建っています。
島津家の北辺防備の山城跡が公園に
関ヶ原合戦(島津軍は合戦にはほとんど加わらず、東軍の陣中を敵中突破し、逃走=有名な「島津の退き口」)直後の慶長5年(1600年)に島津義弘(しまづよしひろ)は、北方の日向国・伊東氏に備える国境警備の拠点として天ケ城を整備し、比志島国貞(ひしじまくにさだ)を城主にしています。
当時、島津家は島津征伐を目論む徳川家と緊張関係があり、慶長7年(1602年)に家康が島津本領安堵を決定するまでは、徳川軍に対する最前線にもなっていました。
高岡は鹿児島へ通じる主要な幹線道路が交わる要衝の地で、高岡から都城を経て鹿児島に至る道筋は「高岡筋」と呼ばれていました。
薩摩は琉球や明(中国)との密貿易を行なっており、薩摩と幕府の対立は、幕府と明との交易に悪影響を与え、関ヶ原で敗れた西軍諸将の反乱を生みかねないという危惧があり、家康も島津討伐を諦め、島津本領安堵を決めたのです。
天ケ城は元名元年(1615年)の一国一城令により廃城になっています。
宮崎市天ケ城歴史民俗資料館は模擬天守(3重4階、複合式望楼型)で、宮崎平野を流れる大淀川と高岡、高岡郷士の生活を紹介するほか、江戸時代の高岡の町の様子を再現したジオラマなどが置かれています。
最上階の4階は展望室で眼下に大淀川を眺望します。
企画展も随時開催。
公園内には1200本の桜が植栽され、開花期の3月下旬〜4月上旬には『天ケ城開門さくらまつり』も行なわれています。
天ヶ城公園(宮崎市天ケ城歴史民俗資料館) | |
名称 | 天ヶ城公園(宮崎市天ケ城歴史民俗資料館)/あまがじょうこうえん(みやざきしあまがじょうれきしみんぞくしりょうかん) |
所在地 | 宮崎県宮崎市高岡町内山3003-56 |
関連HP | 宮崎市天ケ城歴史民俗資料館公式ホームページ |
電車・バスで | JR宮崎駅からバスで40分、タクシーで1時間 |
ドライブで | 東九州自動車道宮崎西ICから約9km |
駐車場 | 第1駐車場(112台)・第2駐車場(64台)・第3駐車場(180台)/無料 |
問い合わせ | 宮崎市天ケ城歴史民俗資料館 TEL:0985-82-2950 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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