かつて東海道新幹線には2階建て(ダブルデッカー)車両が走り、その1階にはグリーン個室が配されていました。2026年、わずか2室だけですが、東海道新幹線にグリーン個室が誕生します。JR東海によれば、「グリーン車の上級クラス座席」という設定で、2026年度中に、N700S車両の一部に導入される予定です。
1~2人用の個室を1編成あたり2室設置
JR東海によれば、高いプライベート感・セキュリティ環境を備えた完全個室タイプの座席を順次導入、個室専用の Wi-Fi、レッグレスト付きのリクライニングシート、個別調整可能な照明 (明るさ)・空調(風量)・放送(音量)等の設備・機能を整備予定となっていますが、基本的にはグループでの利用を想定する個室ではなく、個人がオンラインでの打ち合わせを気兼ねなく行なえるというビジネス利用、プライバシーを確保したい客を想定しています。
これは最新型車両「N700S」のデッキ部分を改造するというスペース的な制限からで、1~2人用の個室を1編成あたり2室設ける予定。
すでに車内サービスを終了したワゴン販売や喫煙ルーム用のスペースを有効活用して個室を設置するもので、これまでの座席数には変更がありません。
かつてのグリーン個室は国鉄時代の1985年10月1日登場した100系(「ニュー新幹線」)の9号車の階下(1階部分)、X1編成(ダブルデッカーではありません)の10号車に設定されましたが、2003年9月16日に東海道新幹線から引退。
以来23年ぶりに個室が復活ということになります。
100系新幹線では1〜4人用の4タイプ(10号車の個室を含めれば6タイプ)の個室があり、ファミリー、グループでの利用もありましたが、N700Sでの個室は既存の車両を改造という制限もあって、ファミリーやグループでの利用はできません。
その意味では、個室の完全復活とはいえませんが、今後はスピード第一のリニアに対抗し、快適な旅を意識し、個室化などが進んでいくのかもしれません。
ちなみに、山陽新幹線で「こだま」として運用される「700系レールスター」には4人用のコンパートメントがあり、通常料金(普通車指定席の特急料金)で利用できます。
2026年、東海道新幹線N700Sに個室が誕生! | |
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