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宝山寺(生駒聖天)

生駒聖天として商売繁盛の御利益で知られる奈良県生駒市の古刹、宝山寺(ほうざんじ)。古来から神聖視された生駒山の山麓にあり、参詣のため近鉄生駒駅と生駒山上を結ぶ近鉄生駒ケーブルの中間駅・宝山寺駅も設置。東京都台東区浅草の待乳山聖天(本龍院)、埼玉県熊谷市の妻沼聖天(歓喜院)とともに日本三大聖天に数えられています。

江戸時代以降、生駒聖天として信仰を集める

もともとは役行者(えんのぎょうじゃ=役小角・えんのおづぬ、修験道の始祖)や空海(弘法大師)が修験の場として開いた寺で、開山当時の名は都史陀山大聖無動寺(としたざんだいしょうむどうじ)。
延宝6年(1678年)、江戸時代初期の律僧で仏像彫刻の名匠・宝山湛海(ほうざんたんかい)が入山し、大聖歓喜自在天(だいしょうかんきじざいてん)を祀りました。
以後、「生駒聖天」として信仰を集めるように。

参道に鳥居が立っているのは、祀られているのが仏教を守護する天部の神様(大聖歓喜自在天=聖天)だから。
石造りの「一の鳥居」は、二の鳥居よりも本堂に近い場所に建っていますが、もともと参道の入口(近鉄生駒駅近く)にあったものを駅前再開発事業で現在地に移転したため。

天部の神様(大聖歓喜自在天)は、ヒンドゥー教のガネーシャがルーツで、仏教の成立後は仏教の守護神として位置づけられています。
この天部の神様は穢(けがれ)を嫌うことから、参拝者は鳥居をくぐり身を清めて参拝をするしきたりに。

毎月1日、16日が縁日

元禄14年(1701年)、湛海によって造立された五大明王像は国の重要文化財。
般若窟(はんにゃくつ)と呼ばれる大岩壁を背に本堂、聖天堂、多宝堂、絵馬堂などが建ち並ぶ姿は壮観です。
明治17年に客殿(迎賓館)として建てられた建てられた木造2階建て擬洋風建築、獅子閣は国の重要文化財に指定されています。
寺としては少し異色な明治の擬洋風建築である獅子閣は、時の住職・14世乗空(じょうくう)和尚が、洋風の迎賓館を建築しようと考案したもの。
依頼を受けた越後出身の宮大工・吉村松太郎が初めて手がけた擬洋風建築。
宮大工だった松太郎は、わざわざ神戸や横浜で洋風建築を観察し(横浜へ3年間留学)、見よう見まねで建てたのです。
螺旋階段、柱頭に施した菊の彫刻など随所に洋風が取り入れられており、当時の宮大工の技術とセンスを盛り込んだ建物は、全国に残る擬洋風建築の中でもその建築水準が高いレベルにあることがよくわかります(春と秋の年2回、特別公開時に内部見学が可能)。

このほか絹本著色愛染明王像、絹本著色弥勒菩薩像(ともに国の重要文化財)など宝物も多数。

般若窟は有史以前の火山の跡で、天智天皇3年(664年)に役行者が梵文般若経を納めた旧跡と伝えられ、それが般若窟という名の由来にもなっています。
往時には葛城修験(かつらぎしゅげん)の霊場の中心だったと推測され、鎌倉時代の五輪塔なども残されています。
般若窟柴燈大護摩供は11月の第4日曜に執り行なわれています。

毎月1日、16日が縁日で、1月1日〜1月3日は初聖天で福財布が授与されます。
5月1日〜10日は『大般若会式』(内陣参拝、宝物拝観が可能)、12月1日は『生駒聖天厄除け大根焚き』が行なわれます。

絹本著色愛染明王像
絹本著色弥勒菩薩像
宝山寺(生駒聖天)
名称 宝山寺(生駒聖天)/ほうざんじ(いこませいてん)
所在地 奈良県生駒市門前町1-1
関連HP 宝山寺(生駒聖天)公式ホームページ
電車・バスで 近鉄奈良線・生駒線・東大阪線生駒駅下車、近鉄生駒ケーブル鳥居前駅からケーブルカーで5分、宝山寺下車、徒歩10分
ドライブで 第二阪奈道路壱分ICから約3.5km
駐車場 300台/無料
問い合わせ 宝山寺(生駒聖天)TEL:0743-73-2006/FAX:0743-74-0070
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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