法隆寺、国宝文化財が建ち並ぶ西院伽藍の北西、小高い場所に、八角円堂の西円堂があります。薬師如来像を安置するため「峯の薬師」(峰薬師)と通称されるお堂です。718(養老2)年、光明皇后の母・橘夫人の発願によって、行基が創建したという伝承がある歴史ある薬師堂。建物自体は1250(建長2)年の再建ですが、国宝。
病気平癒の祈願所としても注目
凝灰岩の礎石や二重の須弥壇に天平期の名残があるので、行基伝承も史実なのかもしれません。
堂内には中央の薬師如来像(奈良時代の作、国宝)を取り囲むように十二神将像が配され、東に千手観音像、北に不動明王像が安置されています。
病気平癒、健康長寿という薬師如来の霊験から、刀剣や弓、甲冑、鏡など、過去の奉納物は1万点以上あり、宝物庫に収蔵されています。
ちなみに「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」(正岡子規)の鐘の音は西円堂・鐘楼の鐘。
8:00〜16:00の2時間おきに1日5回時刻の数だけ鐘が撞かれています。
有名な「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」は、法隆寺鏡池の畔の茶店で休み、出された御所柿を食べていたら、すぐ近くの西円堂の鐘楼から時を告げる鐘の音が響き始めたという設定。
実際に、正岡子規が訪れたのかどうかにはフィクション説(前夜の宿で聞いた東大寺の鐘がモチーフという説も)もあり、定かではありませんが、鏡池の畔、茶店の跡には句碑が立っています。
法隆寺・西円堂 | |
名称 | 法隆寺・西円堂/ほうりゅうじ・せいえんどう Horyuji Temple,Saiendo(West Round Hall) |
所在地 | 奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1 |
関連HP | 法隆寺公式ホームページ |
電車・バスで | JR法隆寺駅から徒歩20分。または奈良交通バス法隆寺門前行きで8分、終点下車すぐ。あるいは、近鉄橿原線筒井駅から奈良交通バス王寺駅行きで12分、法隆寺前下車、徒歩5分 |
ドライブで | 西名阪自動車道法隆寺ICから約2.5km |
駐車場 | 法隆寺観光自動車駐車場(20台/有料) |
問い合わせ | 法隆寺 TEL:0745-75-2555 |
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