春日大社の社前、三条通に面して立つのが一之鳥居。かつては春日大社と興福寺旧境内との境に立っていました。平安時代の承和3年(836年)に創建されたと伝わる鳥居で、現存する鳥居は寛永11年(1638年)の再建。高さ6.75m、柱間5.2mの大鳥居で、春日鳥居の典型として国の重要文化財に指定されています。
春日大社の「表参道」の玄関口に立つ
「日本三大木造鳥居」にも数えられていますが、材質は一本木ではなく、断面八角の芯材の周囲を16枚の檜厚板で囲み合わせて金輪締めにしたもの。
平成19年に解体修理が行なわれ、その後、丹(に)が塗り替えられています。
神域の入口となる一之鳥居から本殿までは、1.3kmもの距離があり、春日灯籠(石灯籠)が立ち並んでいます。
かつては東西に塔が建ち(春日西塔、春日東塔)、参道も馬場に使われたことがあるのだとか。
平安時代に神仏習合が進むと、興福寺は「春日大明神(春日権現)は不空羂索観音・薬師如来・地蔵菩薩・十一面観音を本地仏とする法相擁護の神」として天暦元年(974年)には社頭での読経が始まり、春日大社を支配するようになりました。
春日大社では、毎年1月2日、興福寺の僧侶が参詣しての『日供始式並興福寺貫首社参式』(にっくはじめしきならびにこうふくじかんすしゃさんしき)が執り行なわれますが、藤原氏の氏神、氏寺として、一体となって平城京を守った神仏習合時代の名残なのです。
神仏習合は明治の神仏分離まで続きますが、その時代には一之鳥居は「発心門」(ほっしんもん=仏門に入り修行を始める決意を固める門)とも呼ばれていました。
3月13日の『春日祭』や12月17日の『春日若宮おん祭』、20年に一度の国宝・本殿修理『式年造替』(しきねんぞうたい)の際には大榊(おおさかき)が立てられます。
春日大社・一之鳥居 | |
名称 | 春日大社・一之鳥居/かすがたいしゃ・いちのとりい |
所在地 | 奈良県奈良市登大路町 |
関連HP | 春日大社公式ホームページ |
電車・バスで | 近鉄奈良駅から徒歩10分。JR奈良駅から徒歩25分 |
ドライブで | 名阪国道天理ICから約10kmで春日大社駐車場 |
駐車場 | 春日大社駐車場(100台/有料) |
問い合わせ | 春日大社 TEL:0742-22-7788/FAX:0742-27-2114 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag