JR東日本が発表する「各駅の乗車人員 2023年度」によれば、1日の乗車人員(定期利用と定期外の合計)が100人以下の駅は、42駅。そのなかで、下から数えて32番目、平均乗車数72人(うち定期利用15人)という新幹線駅が、東北新幹線・いわて沼宮内駅(いわてぬまくないえき/岩手県岩手郡岩手町)です。
IGRいわて銀河鉄道の利用者は10倍も!
1日の乗車人員が72人の駅は、水郡線・山方宿駅(やまがたじゅくえき/茨城県常陸大宮市)、小海線・八千穂駅(長野県南佐久郡佐久穂町)、奥羽本線・真室川駅(まむろがわえき/山形県最上郡真室川町)と、当然ローカル線のローカルな駅。
いわて沼宮内駅は、東北本線が3セク化したIGRいわて銀河鉄道の駅でもあり、こちらのほうが圧倒的に乗車人数も多く、2023年度は1日平均717人と、ほぼ10倍の利用者数です。
平均乗車数72人は日本一少ない新幹線駅かといえば、上には上があるもので、北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅、木古内駅は50人〜60人程度で推移しています。
いわて沼宮内駅は、明治24年9月1日、日本鉄道の沼宮内駅(ぬまくないえき)として開業したという歴史ある駅で、往時は特急「はつかり」、急行「八甲田」、急行「くりこま」なども停車していましたが、平成5年以降は、特急、急行などの定期優等列車は停車しない駅になっていました。
つまりは特急が停まらない駅が「はやぶさ」が停まる新幹線駅になったということに。
東北新幹線といわて銀河鉄道線の接続駅にもなっています。
特急も停車しない場所になぜ駅をつくったかといえば、当初、東北新幹線(整備新幹線)は盛岡駅〜沼宮内駅、八戸駅〜青森駅をミニ新幹線で、沼宮内駅〜八戸駅を新幹線規格(フル規格)という計画があり(平成6年に盛岡駅〜沼宮内駅がフル規格に変更)、フル規格とミニ新幹線の境である沼宮内駅に駅が築かれたのだと推測できます。
整備新幹線がフル規格に変更された後には、盛岡駅〜二戸駅の間に駅がないと緊急時の救援などに支障をきたす恐れがあるため、その意味でもいわて沼宮内駅が必要だったのです。
利用者が少なくても新幹線駅なので、駅レンタカーの営業所もあり、穴場の駅レンとして活用できます。
盛岡駅〜久慈駅を結ぶくずまき高原越えのJRバス「白樺号」も、いわて沼宮内駅を経由するので、新幹線から「白樺号」への乗り換えにも活用できます(いわて沼宮内駅〜盛岡駅は所要1時間12分、いわて沼宮内駅〜久慈駅は1時間48分)。
新幹線駅なのに1日の平均乗車数が、たった72人の駅が! | |
所在地 | 岩手県岩手郡岩手町江刈内7-9 |
場所 | いわて沼宮内駅 |
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