「日本一低い山」は、仙台市宮城野区の日和山(ひよりやま)、大阪市港区の 天保山 (てんぽうざん、徳島県徳島市の弁天山なども名乗りを上げていますが、名実ともに日本一の低山が大潟富士。秋田県南秋田郡大潟村、八郎潟干拓地の真ん中にそびえる高さ3.776mの山で、標高(海抜)はなんと0mです。
「日本一の低山」には、23段の階段で登頂
日本で2番目の面積を誇った八郎潟を干拓し、昭和39年10月1日に6世帯、住民わずか14人の大潟村が誕生しましたが、平成4年、秋田県測量設計業協会が創立20周年を迎えるにあたり、大潟村に企画を提案(建設費は村、設計費などは協会が負担)、干拓地のシンボルとして築かれた人工のご当地富士が大潟富士(平成7年6月3日、測量の日に竣工)。
大潟村は村全体が海より低い、海抜0m以下なので、高さは富士山の1000分の1となる3.776mで、頂上がちょうど海抜0mという「日本一の低山」で、23段の階段で登頂します。
地下60mあたりまで泥が堆積する干拓地ということで安定した築山を築くことが難しく(当初、築山は2週間で半分の高さに)、土台には高速道路工事などで盛り土に使われる発泡スチロールを埋め込んで軽量化を図り、安定させています(工事は地元の鈴成建設が担当し、築山には1年を費やしています)。
八郎潟干拓記念水位塔の手前には三角点があり、標高は−3.8m。
大潟村は、平成6年から国土地理院に対し、地図(地形図)に大潟富士の名を掲載してもらうよう要望しましたが、山の名称が公式、目標物(ランドマーク)という観点でなかなか実現しませんでしたが、のちに記載が認められています(ただし標高の表示はありません)。
山開きなどはとくになく、厳冬期は地吹雪も多く、本場の富士山のように登頂は過酷なんだとか。
登頂記念証明書は「道の駅 おおがた」にある「大潟村干拓博物館」で発行。
なお、大潟富士は「男鹿半島・大潟ジオパーク」のジオサイトにもなっています。
標高0m、日本一低い山・大潟富士とは!? | |
名称 | 大潟富士/おおがたふじ |
所在地 | 秋田県南秋田郡大潟村方上 |
ドライブで | 秋田自動車道五城目八郎潟ICから約10km |
駐車場 | 3台/無料 |
問い合わせ | 大潟村総務企画課 TEL:0185-45-2111 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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