岡山県倉敷市、倉敷美観地区の北東にある標高40mの小さな山が鶴形山で全体が鶴形山公園として整備され、遊歩道も設けられています。山頂には倉敷一帯を開いたと伝えられる帰化人、阿知使主(あちのおみ)の名を残す阿智神社が倉敷の総氏神として鎮座。阿智神社の境内は倉敷美観地区を一望できる絶好のビューポイントです。
倉敷発展の歴史を眼下にする展望地
中世の倉敷は亀居島(現在の鶴形山)と呼ばれる島があるのみで、周囲は吉備の穴海と呼ばれる海でした。
天正12年(1584年)に宇喜多秀家が宇喜多堤を築いて干拓し、陸地が誕生したのです。
その干拓地に植えられたのが塩害に強い綿花だったのです(綿花栽培から糸作り=紡績、織物、縫製へと発展していきました)。
干拓地を流れる倉敷川は、物資輸送に欠かせない川湊として機能したのです。
汐入川と呼ばれたのは、海からの海水が入るからで、瀬戸内海交易の船もこの汐入川に入り、物流を支えたのです。
つまりは、鶴形山公園は、かつて海だった時代の島の植生を残し、干拓と倉敷発展の歴史を眼下にする展望台ともいえるのです。
明治初年の神仏分離、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)までは倉敷村の氏神の妙見堂が建っていたため、妙見山とも呼ばれていましたが、明治24年に鶴形山に改名。
園内は桜やツツジ、樹齢500年という阿知の藤(見頃は4月下旬~5月上旬)など花の名所としても有名です。
鶴形山南側には中世には倉敷城がありましたが、明治21年、倉敷代官所跡地とともに倉敷紡績所の事業所用地となり(本社工場跡が現・倉敷アイビースクエア)切り崩されています。
また、鶴形山の下には大正15年、大正15年、皇太子(後の昭和天皇)行啓を記念して開削された鶴形山隧道が通っています。
名称 | 鶴形山公園/つるがたやまこうえん |
所在地 | 岡山県倉敷市本町12 |
関連HP | 倉敷市公式観光サイト |
電車・バスで | JR倉敷駅から徒歩20分 |
ドライブで | 山陽自動車道倉敷ICから約5km |
駐車場 | なし/周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 倉敷市公園緑地課 TEL:086-426-3495 |
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