沖縄県石垣市、石垣島にある黒真珠の養殖地としても知られる湾が、川平湾(かびらわん)。「川平湾及び於茂登岳(おもとだけ)」として国の名勝に指定される石垣島北西部の景勝地。岡本太郎も「いかなる画人のいかなる詩情をもってしてもその表現は困難」と絶賛しています。
干満と光がサンゴ礁のさまざまな表情を演出
水面面積は174.2haの川平湾。
湾口をふさぐように小島(くじま)が横たわり、珊瑚礁の切れ目である狭い水路(バリ)により東シナ海に通じています。
琉球王国時代には、石垣港から琉球王府へ貢納物を運ぶマーラン船が、風待ちのために一時的に待避する場所にもなっていました。
航海の安全を祈願する拝所として浜崎御嶽、観音堂が残っているのは、そのため。
湾の西北岸は布晒浜と呼ばれていますが、琉球王府への貢納布「八重山上布」を晒す場所だったから。
川平湾周辺は西表石垣国立公園の第1種特別地域に指定され、美しい入江は、光線状態によって、エメラルドグリーンなどさまざまな変化を見せます。
250種ものサンゴが生息する海中は、潮の流れが早いので遊泳は禁止で、観光用のグラスボート(川平マリンサービス、石垣島まりんはうすぐるくん、海邦マリン)から鑑賞することができます。
湾内には、最大の小島、2番目の大きさのマジパナリ(真謝離)、白鷺(石垣方言でサイ)の群が休むというサイパナリ(サイ離)、ムクパナリ(婿離)、ユミパナリ(嫁離)、この島に捨てられた鶏を殺す悪い猫(マヤ)に由来する(マヤ離)、クバ(ビロウ)が群生するクバパナリ(クバ離)、黒壇(キダ木)が群生するキダパナリ(キダ離)、チャバンチキパナリ(チャバンチキ離)という9つのの島が浮かぶ多島美です。
島々があるのは、隆起珊瑚礁だから(水質が悪化するとサンゴ白化現象などが発生するので、環境汚染も危惧されています)。
グラスボート乗り場近くには松林から白砂のビーチや小島が浮かぶ海を一望する川平公園展望台もあるほか、みやげ店、食堂も並んでいます。
川平湾 | |
名称 | 川平湾/かびらわん |
所在地 | 沖縄県石垣市川平 |
電車・バスで | 石垣港から東運輸バスで34分、川平郵便局前下車、徒歩5分 |
ドライブで | 石垣港から約18km、石垣空港から約22km |
駐車場 | 川平公園第1駐車場(52台/有料)、川平公園第2駐車場(32台/有料) |
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