沖縄県国頭郡国頭村、沖縄本島最北端の辺戸岬(へどみさき)の付け根にある遺跡が、宇佐浜遺跡(うざはまいせき)。沖縄貝塚時代中期(2400年~2100年前、縄文時代晩期)の遺跡で、貝塚、住居跡が発掘され、口縁部が肥厚した壺型土器(宇佐浜式土器)、磨製石斧、石皿などが出土しています。
沖縄本島最北端にある沖縄貝塚時代(縄文時代)の遺跡
辺戸岬へとのびる国頭半島(くにがみはんとう)の先端部は高さ20m以上の海食崖が発達していますが、その台地上にある遺跡が、宇佐浜遺跡。
石組住居跡と思われる方形状に石を巡らせた遺構も数基見つかっていますが、奄美大島にも似た遺構、土器があるので、奄美から渡ってきた文化が土台であることがわかります。
道路の脇に石柱が立てられているだけで、周辺はのどかな畑なので遺構は確認することができません。
沖縄諸島では、本土の縄文時代にあたる6600年前に九州、奄美(あまみ)からやってきた縄文人によって縄文文化が伝えられ、その影響で貝塚文化が生み出されました。
土器は、縄文土器に似ていますが、石器などの種類や形に違いがあり、縄文人の精神文化をあらわす土偶(どぐう)もないため、貝塚文化と称されています。
縄文文化が土台になり、沖縄独自の発展を遂げた文化であることがわかりますが、本土に近い辺戸岬にある遺跡は、まさに縄文文化との交流の入口だったと推測できるのです。
崖下の海岸部には沖縄貝塚時代後期(弥生時代~平安時代相当期)の宇佐浜B遺跡があり、周辺には宇佐浜F地点遺跡、辺戸長尺原遺跡、辺戸石山遺跡、カヤウチバンタ貝塚など多くの遺跡が眠っています。
宇佐浜遺跡 | |
名称 | 宇佐浜遺跡/うざはまいせき |
所在地 | 沖縄県国頭郡国頭村辺戸 |
ドライブで | 沖縄自動車道許田ICから約56km |
問い合わせ | 辺戸岬観光案内所 TEL:0980-43-0977 |
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