沖縄県那覇市壺川1丁目、沖縄市とを結ぶ国道330号近く、住宅地にある小さな公園ですが、公園整備で発掘された沖縄県営の沖縄県軽便鉄道(ケービン)廃線跡、そして南大東島のサトウキビ運搬に使われたディーゼル機関車(シュガートレイン)が保存されています。
南大東島のシュガートレイン、沖縄県軽便鉄道の線路跡を保存
沖縄県内の鉄道は、明治時代から民間資本での建設が計画されるものの、資金不足などで実現せず、大正3年12月1日、蒸気機関車が牽引する沖縄県軽便鉄道(後に沖縄県鉄道)の与那原線(よなばるせん)・那覇〜与那原間(9.4km)が開通したのが始まり。
那覇〜与那原間の運賃は2等で18銭。
客車の後ろには貨車も連結され、旅客だけでなく物資の輸送にも活躍、沖縄県民からは「ケイビン」「ケービン」と呼ばれて、親しまれていました。
民鉄では、那覇周辺に電気を供給した沖縄電気により、軌道事業としての路面電車も大正3年5月に大門前〜首里間(5.7km)が開業しています。
大正6年7月1日、海陸連絡線・那覇〜桟橋荷扱所間(1.0km/貨物線)、大正11年3月28日、嘉手納線・古波蔵(こはぐら)〜嘉手納間(22.4km)、さらに大正12年7月11日、糸満線・国場(こくば)〜糸満間(15.0km)が開業しましたが、沖縄戦で壊滅的な打撃を受け、戦後、占領したアメリカ軍は復興しなかったため、全線が廃止となっています。
壺川東公園造成時に出土した線路は、那覇駅〜古波蔵駅間(1.2km)の与那原線(大正3年12月1日開業)の線路で、古波蔵駅で嘉手納線が分岐していました。
那覇駅跡は、現在の那覇バスターミナルで、その一角、交通広場に転車台跡が移築保存(10mほど移築)されるほか、与那原町では与那原駅舎を復元し、「軽便与那原駅舎展示資料館」が開館しています。
壺川東公園で保存される南大東島で活躍したシュガートレインは、ディーゼル機関車5号機と蒸気機関車1号機の台車。
蒸気機関車1号機は、沖縄本島のゴルフ場が遊覧鉄道に使おうとして移送しましたが、計画を断念し、台車部分のみが現存しています。
南大東島のふるさと文化センターにはディーゼル機関車8号機、蒸気機関車2号機が保存され、近代化産業遺産に認定されています。
壺川東公園(沖縄県軽便鉄道廃線跡) | |
名称 | 壺川東公園(沖縄県軽便鉄道廃線跡)/つぼがわひがしこうえん(おきなわけんけいべんてつどうはいせんあと) |
所在地 | 沖縄県那覇市壺川1-11 |
電車・バスで | ゆいレール壺川駅から徒歩10分 |
ドライブで | 那覇空港から約5km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
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