国蝶・オオムラサキ(自然環境を測定する目安になる指標昆虫のひとつ)の全国一の生息地、北杜市にあるのが「北杜市オオムラサキセンター」。初夏から夏にかけて羽化して蝶になりますが、例年は6月下旬頃に羽化が始まり、7月が観察のピークで、オスがメスを見つけ交尾し、8月に産卵を終えると死んでしまいます。
成虫が観察できるのは6月下旬~7月中旬だけ
北杜市は、八ヶ岳高原に流れる水辺にオオムラサキが好んで食むエノキ(幼虫が葉を食します)、クヌギ(蝶になるとクヌギの樹液を吸います)が多く生えていること、冬は寒く適度に雪が降るため乾燥が少ないことなどの条件が重なり、国蝶・オオムラサキの日本一の生息地となっています。
夏にエノキに産み付けられた卵は、6日~10日でふ化し、幼虫時代にはエノキの葉を食べ、3回の脱皮を重ねて成長します。
秋から冬にかけて気温が下がると緑色だった幼虫の体の色が落ち葉と同じ茶色になり、越冬の準備を始めます。
11月上旬頃、おもに落ち葉など地面に近い葉に隠れて(暑さと乾燥に弱い体質です)、寒さを凌いで厳しい冬を過ごします。
ひと冬越した春、エノキの葉が芽吹き始める4月中旬〜5月、再びエノキに上り(木に登ることができない幼虫もいて4割ほどはここで脱落)、エノキの葉を食べ、さらに2回の脱皮で大きく成長。
ただし、体が大きくなったせいで、鳥にも狙われやすくなり、ここでまた数が減ってしまいます。
いよいよ羽化の準備を始め、エノキの葉裏で蛹(さなぎ)になります。
蛹になって15日目くらいに背中の部分が縦に割れて、成虫が頭から出てきます。
これがいわゆる羽化で、周囲を飛び回るようになるのです。
「北杜市オオムラサキセンター」の「びばりうむ長坂」では自然に近い状態の生きたオオムラサキが間近で観察可能です。
成虫が観察できるのは6月下旬~7月中旬のみなので、ぜひこの期間に北杜市へ!
6月下旬、国蝶・オオムラサキの羽化が始まり、7月は観察に絶好! | |
所在地 | 山梨県北杜市長坂町富岡2812 |
場所 | 北杜市オオムラサキセンター |
関連HP | 北杜市オオムラサキセンター公式ホームページ |
電車・バスで | JR日野春駅から徒歩10分 |
ドライブで | 中央自動車道長坂ICを約4.5km、須玉ICから約6km |
駐車場 | 38台/無料 |
問い合わせ | 北杜市オオムラサキセンター TEL:0551-32-6648/FAX:0551-32-6648 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag