中之島のシンボルともなる大正7年に建てられた赤レンガの壁と青銅のドームとのコントラストが美しい大阪市中央公会堂。北浜の株式仲買人・岩本栄之助が100万円の私費を投じて建設し、大阪市に寄贈したものでネオ・ルネサンス様式の傑作。国の重要文化財に指定され、平成14年に耐震設計を施すなどのリニューアルが行なわれています。
中之島のシンボルである赤レンガの洋館
設計は、懸賞付き建築設計競技の結果、岡田信一郎(明治生命館、旧歌舞伎座、旧琵琶湖ホテル=現びわ湖大津館などの設計で知られる建築家)が1位となり、岡田の原案に基づいて、辰野金吾、片岡安が設計。
大正7年11月17日にオープンしていますが、建設費用を寄付した岩本栄之助は、第一次大戦による相場の変動で大きな損失を出し、公会堂の完成を見ないまま大正5年に自殺しています。
江戸時代の中之島は、淀川の舟運を利用し、40もの藩の蔵屋敷が立ち並び繁栄していました。
明治4年の廃藩置県で蔵屋敷は廃止され、跡地を官庁や学校、病院などにあて、残りを民間に払い下げました。
明治時代の中之島は、蒸気外輪船を使った定期航路が大阪〜宇治間を結んで客を運んだものの、鉄道網の進展に押され、衰退していきました。
明治24年、大阪初の公園として中之島公園が開設され、大阪で唯一、外国人が宿泊できる設備を持った自由亭ホテルなどが建ちましたが、その後の中之島をイメージ付けたのが大阪市中央公会堂の建築です。
完成した中央公会堂では大正デモクラシーを背景に政党の演説会、ロシア歌劇団による「アイーダ」公演、バス歌手シャリアピンの独唱などの催しが開かれています。
大正7年の大阪市中央公会堂の誕生を契機に、中之島には大阪市庁舎(大正10年)、日本電力株式会社(大正14年に大阪ビルディング竣工)、宇治川電気株式会社(大正14年に大阪ビルディング竣工)、朝日新聞社(大正15年)、大阪商船(大正15年)など、当時の名だたる企業が集結したのです。
ライトアップされた夜にも注目!
国の重要文化財でありながら、貸室として利用できるほか、地下にはショップとレストランを備えています。
1階の大集会場は1階席810、2階席351、計1161席を収容する大きなもので当時としては驚異的な規模を誇っていました。
最大500席の中集会室は、ヨーロッパの宮殿風の造りで、クラシックコンサートなどにピッタリの雰囲気と音響です。
創建当時は貴賓室として使用されたも特別室として貸し出されています。
地下は、「公会堂SHOP」とレストラン「中之島ソーシャルイートアウェイク」。
「中之島ソーシャルイートアウェイク」は、ダイニングエリアとバルエリアに分かれ、ランチタイムには牛肉煮込みのオムライス、ランチコースなどを用意。
ディナーはアラカルトが充実しています。
夜間はライトアップされ、赤レンガがさらに美しく浮かび上がります。
ちなみに、大正6年には、横浜市中区公会堂(横浜市開港記念会館)も開館しており、東西の公会堂は現在、ともに国の重要文化財に指定されています。
大阪市中央公会堂 | |
名称 | 大阪市中央公会堂/おおさかしちゅうおうこうかいどう |
所在地 | 大阪府大阪市北区中之島1-1-27 |
関連HP | 大阪市中央公会堂公式ホームページ |
電車・バスで | 地下鉄淀屋橋駅から徒歩5分 |
ドライブで | 阪神高速道路環状線北浜ランプからすぐ |
駐車場 | 15台/有料 |
問い合わせ | 大阪市中央公会堂 TEL:06-6208-2002/FAX:06-6208-2003 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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