大阪府東大阪市にある43.4haという広大な大阪府営の都市公園が、枚岡公園(ひらおかこうえん)。大阪と奈良を結ぶ暗越奈良街道(くらがりごえならかいどう)沿い、現在の国道308号(奈良街道)沿いに立つのが芭蕉句碑「菊の香や奈良には古き仏達」です。
芭蕉最後の旅となった暗峠越えで詠んだ句
旧暦で重陽の節句である元禄7年9月9日(1694年10月27日)、死を直前にした松尾芭蕉は、奈良から生駒山系の暗峠(くらがりとうげ)を越え、枚岡神社(ひらおかじんじゃ)を経て松原宿(東大阪市松原)に下り、大坂に出ていますが、これが暗越奈良街道(くらがりごえならかいどう)。
体調はかなり悪かったにもかかわらず、標高455.8mの暗峠を越えて、枚岡神社まで下っているのです。
重陽の日に高所に立つと長生きできるという言い伝えがあったため、あえてこの日を選んだのかもしれません。
松尾芭蕉は、元禄7年10月12日(1694年11月28日)、南御堂の門前にあった花屋仁左衛門の貸座敷で没しているので、わずかにひと月前に、暗峠を越えていることに。
このときに詠んだ句が「菊の香や奈良には古き仏達」で、国道308号(奈良街道)沿い、法照寺近くには、明治22年に再建された句碑も立っています。
もともと、寛政11年(1799年)、芭蕉没後100回忌の追善供養で豊浦村(現・東大阪市豊浦町)の庄屋・中村來耜(なかむららいし)が暗峠の街道沿いに「菊の香や奈良には古き仏達」の句碑を建立しましたが、埋没して行方不明になったため、明治22年、この地の俳句結社「六郷社」(明治7年設立)が建立したもの。
碑文は豪商で近代大阪最大の文化人と称される平瀬露香(ひらせろこう)の揮毫(きごう)。
その後、大正2年の大雨で、中村來耜建立の句碑が出現し、東大阪市の勧成院(かんじょういん)境内に移築現存しています。
枚岡公園・芭蕉句碑「菊の香や奈良には古き仏達」 | |
名称 | 枚岡公園・芭蕉句碑「菊の香や奈良には古き仏達」/ひらおかこうえん・ばしょうくひ「きくのかやならにはふるきほとけたち」 |
所在地 | 大阪府東大阪市東豊浦町12-12 |
関連HP | 枚岡公園公式ホームページ |
電車・バスで | 近鉄奈良線枚岡駅、額田駅から徒歩20分 |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | 枚岡公園管理事務所 TEL:072-981-2516/FAX:072-982-8725 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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