大分県豊後高田市にある応暦寺(おうれきじ)。国東半島(くにさきはんとう)に点在する寺院群・六郷満山(ろくごうまんざん)中山本寺のひとつです。その本堂左横から奥の院に続く山道を250mほど上った先の岩壁にある磨崖仏が、県指定の有形文化財である堂の迫磨崖仏(どうのさこまがいぶつ)。
室町時代初期に彫られたと推測される石仏
左から六観音像(観音像6体)、閻魔像(えんまぞう)、六地蔵(地蔵菩薩の6分身)、施主夫婦像(比丘・比丘尼像=出家した修行者の男性が比丘、女性が比丘尼)、司録像(倶生神)を横一列に半肉彫りにしており、像の高さは50cm前後。
夫婦と見られる僧形と女人の坐像は、この磨崖仏の願主と推測され、生前供養の趣旨で造立されたもの。
司録(しろく)は、十王(死後に亡者を裁く裁判官)のひとりで、閻魔王の判決を記録する書記官です。
六観音と六地蔵に閻魔・司録を組み合わせる尊像配置は、いわゆる 「六道思想」(観音・地蔵が六道のそれぞれに姿を現して、救いの手を差し伸べるという思想)に基づいたもの。
六観音と六地蔵を対比させる構成は、福真磨崖仏の影響を受けています。
下の岩壁にも仏龕(ぶつがん)があり、境内にはほかに、磨崖聖徳太子像、五輪塔群などの石像が点在。
また応暦寺の本堂には、不動明王坐像をはじめ、本尊の千手観音像、阿弥陀如来像が安置されています。
応暦寺は、大分県の史跡となった堂の迫磨崖仏とともに日本遺産「鬼が仏になった里『くにさき』」の構成資産になっています。
堂の迫磨崖仏 | |
名称 | 堂の迫磨崖仏/どうのさこまがいぶつ |
所在地 | 大分県豊後高田市大岩屋401 |
電車・バスで | JR宇佐駅から高田観光バス黒土行き20分、上真玉支所前下車、徒歩10分 |
ドライブで | 宇佐別府道路宇佐ICから約29km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | 應暦寺 TEL:0978-53-4427 |
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