大分県由布市湯布院町湯平、湯布院の南部に位置する山間の温泉場が、湯平温泉(ゆのひらおんせん)。鎌倉時代開湯と伝わる古湯で、大分川の支流、花合野川(かごのがわ)沿いに温泉街が開けています。300mほどの急坂(最大傾斜30度)に江戸時代の石畳が残され、石畳通りと呼ばれています。
300年の時を刻む湯平のシンボル、石畳の坂道
江戸時代初期から胃腸病に効くことが知られ、富裕層や士分(しぶん=武士階級)などが湯治に訪れる場所でした。
石畳は享保年間(1716年〜1736年)に起こった土石流の影響で、疫病が発生。
その平癒を願って大竜井路(おおたついろ)などを開削して利水の恩人として知られる工藤三助(くどうさんすけ )が修復したのが起源。
石畳の完成により、湯治場として今の温泉街の基礎ができたのです。
明治45年4月20日の大火で旅館街の多くを焼失しますが、復興を遂げてさらに湯治場として道の両脇には旅館やみやげもの店、共同湯が軒を連ねるまでに発展。
昭和5年、俳人・種田山頭火が湯平温泉を訪れ宿泊し た際に、「しぐるるや 人のなさけに 涙ぐむ」などのいくつかの名句を残し、石畳通りの入口に歌碑が置かれています。
石畳通りの入口近くには、湯平温泉観光案内所、坂道の途中には山頭火ミュージアム「時雨館」、坂道の下部に共同浴場「銀の湯」、上部に「中の湯」があります。
5月の日曜日に行なわれる『湯平温泉祭り』はこの石畳通りが会場。
7月の『石畳大そうめん流し大会』は、石畳の坂に全長300mもある特製の「とい」を用意する九州最大級のそうめん流しイベントです。
外来利用可能な共同湯は5ヶ所あり、地蔵が祀られた入口近くの料金箱に入浴料を入れ、ほとんどが湯に浸かるだけのシンプルな造り。
湯布院温泉郷(由布院温泉、湯平温泉、塚原温泉、庄内温泉、挾間温泉)として国民保養温泉に指定されています。
昭和57年12月公開の映画『男はつらいよ』シリーズ第30作目の「花も嵐も寅次郎」(ヒロインは田中裕子)ロケ地にもなっています。
湯平温泉石畳通り | |
名称 | 湯平温泉石畳通り/ゆのひらおんせんいしだたみどおり |
所在地 | 大分県由布市湯布院町湯平 |
関連HP | 湯平温泉観光案内所公式ホームページ |
ドライブで | 大分自動車道湯布院ICから約13km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 湯平温泉観光案内所 TEL:0977-86-2367 |
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