秩父札所の中で石仏の寺として名高いのが札所4番・金昌寺。山門の大わらじが印象的で、記念撮影の人気スポットになっていますが境内には1300体の石仏が配され、奥の院から山門まで一巡して拝観できる仕組み。本堂手前左に井戸が長命水、そして回廊右手には江戸の豪商が寄進した子育て観音像(慈母観音)も配されています。
巨大なわらじと石仏群が出迎えてくれる
埼玉県の文化財に指定される石仏群は、1789(寛政1)年、時の住職が寺門の興隆と飢饉や天災による犠牲者を供養するため、「石造千躰地蔵尊建立」を発願したのが始まり。
石仏の寄進者には江戸、武蔵をはじめ、「紀州様奥女中」、「越前様奥女中」など遠く紀州(和歌山県)、越前(福井県)などの大名家に縁あるものも。
石仏の中には大杯を頭上にかざすユーモラスな禁酒地蔵(酒呑地蔵)もあります。
三間四面、唐様の本堂は、江戸中期の建築。
仁王像を配した朱塗りの山門(仁王門)は、階上には縁をまわして石仏の五百羅漢を安置し、秩父札所でも現存するもっとも豪壮な山門になっています。
本尊は十一面観世音(像高107cm)で、室町時代の作。
広重・豊国作 『観音霊験記 秩父順礼』 第四番金昌寺
幕末の1858(安政5)年、午歳総開帳(うまどしそうかいちょう=札所本尊の総開帳)にあわせて、江戸で作成・販売された『観音霊験記』。秩父四番札所の金昌寺を描いた錦絵。
歌川広重が札所の様子を、さらに歌川豊国が札所にまつわる霊験(れいげん)を描いています。
数々の悪行を重ねた荒木丹下のところに巡礼の娘が来て食べ物を乞うた際に、娘を打ちのめしますが、実は娘は仏の化身で、その力により改心させられ、仏道に帰依したことが描かれています。
霊場間の距離・時間
3番札所・常泉寺(秩父市山田1392) — (1.4km/徒歩20分) — 4番札所・金昌寺(秩父市山田1803) — (1.3km/徒歩20分) — 5番札所・語歌堂(秩父郡横瀬町横瀬6119/納経所は徒歩3分の長興寺)
金昌寺(秩父三十四所観音霊場・札所4番) | |
名称 | 金昌寺(秩父三十四所観音霊場・札所4番)/きんしょうじ |
所在地 | 埼玉県秩父市山田1803-2 |
関連HP | 秩父三十四所観音霊場秩父札所連合会ホームページ |
電車・バスで | 西武秩父線西武秩父駅から西武観光バス皆野駅行き、定峰行きで18分、金昌寺下車、すぐ |
ドライブで | 関越自動車道花園ICから約22km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 金昌寺 TEL:0494-23-0976 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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