埼玉県横瀬町の武甲山を眺める高台に建つのが秩父三十四所観音霊場・札所6番で、曹洞宗の寺、卜雲寺(ぼくうんじ)。荻野堂(おぎのどう)と呼ばれ、本尊は行基作と伝わる聖観音です。寺伝によれば本尊・聖観音は武甲山頂の蔵王権現社に永く鎮座していた後に、荻野堂に移されたという。卜雲寺は当時、萩野堂の別当寺でした。
萩野堂本尊の聖観音を卜雲寺に安置
当初、荻野堂は苅米5区の竹の後に建っていましたが、火災で焼失し、宝暦10年(1760年)、別当寺の卜雲寺に移されたもの。
卜雲寺は江戸時代初期の寛永15年(1638年)、卜雲源心(嶋田与左衛門の法号)の創建。
明治9年の大火で、卜雲寺、荻野堂ともに伽藍の多くを焼失し、明治40年頃に再建される際、荻野堂本尊の聖観音を卜雲寺本堂に遷しています。
広重・豊国作 『観音霊験記 秩父順礼』 荻の堂向陽山卜雲寺 禅客
幕末の安政5年(1858年)、午歳総開帳(うまどしそうかいちょう=札所本尊の総開帳)にあわせて、江戸で作成・販売された『観音霊験記』。
秩父六番札所の卜雲寺・萩野堂を描いた錦絵。
歌川広重が札所の様子を、さらに歌川豊国が札所にまつわる霊験(れいげん)を描いています。
6年間和歌を工夫してもうまくいかない禅客が、ある日、どこからともなく一首の和歌が聞こえ、たちどころに無常迅速の理を悟りました。
声の出どころをたどると、1株の荻の下に詠歌の短冊あり、これぞ観音の霊感なりという霊験の話で、江戸時代には全国の有名な観音信仰の寺ではこうした霊験の話を喧伝(けんでん)し、多くの参詣者を集めたのです。
霊場間の距離・時間
5番札所・語歌堂(秩父郡横瀬町横瀬6119/納経所は徒歩3分の長興寺) — (2.7km/徒歩40分) — 6番札所・卜雲寺 萩野堂(秩父郡横瀬町横瀬1430)— (0.7km/徒歩10分) — 7番札所・法長寺(秩父郡横瀬町横瀬1508)
名称 | 卜雲寺・萩野堂(秩父三十四所観音霊場・札所6番)/ぼくうんじ・おぎのどう |
所在地 | 埼玉県秩父郡横瀬町横瀬1430 |
関連HP | 横瀬町公式ホームページ |
電車・バスで | 西武秩父駅から西武観光バス松枝・長渕・根古屋行きで横瀬橋下車、徒歩10分 |
ドライブで | 関越自動車道花園ICから約28km |
駐車場 | 3台/無料 |
問い合わせ | TEL:0494-24-6236 |
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