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島田橋(潜水橋)

島田橋(潜水橋)

埼玉県坂戸市島田と東松山市宮鼻の間を流れる一級河川・越辺川(おっぺがわ/源頭は関八州見晴台)に架る全長77m、幅員3mの潜水橋(冠水橋)が島田橋。江戸時代には川越・児玉往還の場所で、渡船(島田の渡し)で渡っていました。明治になって木製の橋が架橋され、現在の橋も木製。そのため、時代劇などのロケ地になっています。

上流側の斜めの丸太は「芥除」(ちりよけ)

荒川水系には潜水橋(地元では冠水橋とも呼んでいますが、河川法上は潜水橋です)が数多く、暴れ川の証にもなっています。
坂戸市島田側の橋の脇には観音菩薩、地蔵菩薩など、江戸時代の石仏11基が現存、島田には船頭という屋号の家もあり、中山道の脇往還として江戸から上州への近道としても活用された川越・児玉往還(川越宿〜塚越宿〜石井宿〜「島田の渡し」〜高坂宿・日光脇往還合流〜松山宿〜吹上宿・中山道合流)の名残となっています。
以前には橋板が高価だったこともあり、増水が懸念されるときには流される前に橋板を回収していたのだとか。

現在の橋は、本体は杉、笠木は檜。
上流側に斜めに取り付けてある杉丸太が「芥除」(ちりよけ)で、増水時に押し寄せる流木を橋に留めず、橋の上を通過させる仕組みです。

最近も平成6年、平成26年の台風で流出しています。
600mほど上流に国道の橋があるため、鉄橋やコンクリート橋に造り替える許可が下りず、結果として木橋が残されていることに。
つまり、橋が流れる都度、災害復旧事業として国の補助を受け、木製の橋を架けているのです。
ただし、地元の人の話では、設計できる職人が減り、工事を請け負える業者も少なく、「いつまで橋が架けられるのか心配」とのこと。

東京に近いということでロケ地として重宝され、NHK大河ドラマだけでも『翔ぶが如く』(平成2年/主演・西田敏行)、『新撰組!』(平成16年/主演・香取慎吾)、『風林火山』(平成19年/主演・内野聖陽)、『龍馬伝』(平成22年/主演・福山雅治)、さらに映画では『幕末純情伝』(松竹映画・平成3年/主演・渡辺謙)、『まぼろしの邪馬台国』(松竹映画・平成20年/主演・吉永小百合)、『さや侍』(松竹映画・平成23年/主演・野見隆明)、テレビドラマでは『JIN-仁-』(TBSテレビ・平成21年/主演・大沢たかお)などに使われています。

坂戸市内の越辺川の八幡橋(坂戸市小沼)、高麗川に架る若宮橋(坂戸市厚川)、多和目天神橋(坂戸市多和目)、多和目橋(坂戸市多和目)もテレビ・映画関係者が注目する潜水橋(冠水橋)です。

島田橋(潜水橋)
名称 島田橋(潜水橋)/しまだばし(せんすいばし)
所在地 埼玉県坂戸市島田〜東松山市宮鼻
関連HP 坂戸市公式ホームページ
電車・バスで 東武東上線北坂戸駅からタクシーで10分
ドライブで 関越自動車道鶴ヶ島ICから約5.5km
問い合わせ 坂戸市広報広聴課 TEL:049-283-1331
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

塩沢冠水橋

埼玉県比企郡嵐山町、荒川水系の一級河川・槻川(つきかわ)の渓谷が、嵐山渓谷(らんざんけいこく)。京の嵐山に似た景観ということで「公園の父」・本多静六が命名したもの。槻川橋の上流には飛び石橋、さらに上流に塩沢冠水橋があり、渓谷のハイライトにも

 

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