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山吹の里歴史公園

山吹の里歴史公園

埼玉県入間郡越生町(おごせまち)、越生梅林で知られる梅の町・越生ですが、山吹3000株が植栽されたのが山吹の里歴史公園。歴史公園と称するのは、この地が、太田道灌に少女が山吹を差し出したという伝説の地だから。4月〜5月に水車小屋の周囲に山吹が咲き、絵になる光景に。

太田道灌に一枝の山吹を差し出した娘、伝説の地

鎌倉五山と足利学校で学問を修め、河越(川越)に城を築いた太田道灌は、ある日、鷹狩にでかけた先でにわか雨に遭います。
蓑を借りに貧しい民家を訪ねると、出てきた娘が何も言わずに一枝の山吹を差し出します。

少女は貧しさゆえに「蓑がない」悲しさを「七重八重花は咲けども山吹の 実の一つだになきぞかなしき」(『後拾遺和歌集』中務卿兼明親王)の「山吹の実の一つだになき(蓑ひとつなき)」をかけた謎掛けだったことを後で知り、無学を恥じ、さらに精進したという有名な話が岡山藩士・湯浅常山が元文4年(1739年)に刊行した『常山紀談』、安永7年(1778年)刊の『雨中問答』(西村遠里著)に記されています。

東武東上線・JR八高線越生駅にも近い便利なロケーションの公園で、例年、一重、八重の山吹が咲く、花の見頃は4月中旬〜5月中旬頃。
水車小屋のほか、散策路、東屋などが整備され、展望広場からは越生の町を眼下にできます。

越生梅林を有する越生町は、町の木が梅、町の花が山吹になっています。

ちなみに、越生町には、埼玉県指定旧跡の「伝山吹の里」、「太田道真退隠地」、道灌生誕の地とされる「山枝庵」など、太田道灌ゆかりの史跡や文化財が多数あり、「太田道灌をNHK大河ドラマに」という運動を展開しています。
山吹伝説の地は、越生町だけでなく、東京都内にも多数ありますが、越生には太田道灌の父・太田道真の館があったこと、太田道真・太田道灌ゆかりの龍穏寺があることからも、有力な候補地になっているのです。

候補地は多数! 山吹の里はどこにある!?

山吹の里については、太田道灌が江戸城を築城後とする説も有力で、候補地だけでも荒川区荒川7-17-2(泊船軒内に史跡、日暮里駅近くに山吹の花一枝像)、 豊島区高田1-10-5(山吹の里公園に由来板)、豊島区高田1-18-1(面影橋近くに史跡)、新宿区新宿6-21-11(大聖院内に山吹の里伝説の娘の墓)、新宿区西新宿2-11(新宿中央公園に太田道灌久遠像と多数あります。
『江戸名所図会』には、「高田馬場より北の方の民家の辺りをしか唱ふ」と記されているので、豊島区高田の山吹の里公園も有力な候補地です。

しかし、話ができすぎていること、初出の文献が道灌死後250年を経ていることから、信憑性も疑わしく、江戸の地域社会が生み出した「都市伝説」あるいは、湯浅常山がつくった処世訓ではないかと推測できるのです。

山吹の里歴史公園
名称 山吹の里歴史公園/やまぶきのさとれきしこうえん
所在地 埼玉県入間郡越生町如意25
関連HP 越生町公式ホームページ
電車・バスで JR・東武鉄道越生駅から徒歩5分
ドライブで 関越自動車道坂戸西スマートICから約8km
駐車場 5台/無料
問い合わせ 越生町産業観光課 TEL:049-292-3121/FAX:049-292-3351
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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