埼玉県さいたま市見沼区、見沼自然公園近くにある片柳の加田屋新田を開発した坂東家の邸宅を再生したのが、旧坂東家住宅見沼くらしっく館。木造平屋建て、茅葺き屋根の農家で、幕末の安政4年(1857年)の築。囲炉裏には常に火が入れられ、建物の中にも自由に入ることができます。
名主の屋敷としての規模と格式を備えた農家
もともとは、延宝3年(1675年)、紀伊国・加田村(加太村=現・和歌山市)出身の坂東助右衛門尚重が、見沼溜井の完成に合わせて、見沼の一部を干拓し、入江新田を築いたが始まり。
2代目の時に見沼を水源とする下流の村々の反対に遭い、再び見沼に戻していますが、徳川幕府8代将軍・徳川吉宗は、享保の改革で、新田開発を目指したため、紀州藩主時代に紀の川周辺の新田開発に成功した井沢弥惣兵衛為永を呼び寄せ、見沼の八丁堤を開削して干拓化しています。
見沼代用水東縁、沼代用水西縁を開削して農業用水が確保されたため、見沼代用水東縁から水を引くことができる入江新田があった場所を、3代目当主の助右衛門尚常が開拓し、屋号を取って加田屋新田と名付けています。
現存する建物は10代目当主・坂東助次郎が建てたもの。
13代目・坂東新助、14代目・坂東貞市は、片柳村(かたやなぎむら)の村長を務めています。
かつてとほぼ同じ場所に復元したのが、旧坂東家住宅見沼くらしっく館。
「生きている民家」をテーマに、七夕飾り、盆棚飾り、十五夜飾り、正月飾りなど、年中行事を再現しています。
敷地北側には屋敷林から続く見沼の斜面林、東側には坂東家が開発した加田屋新田が広がっています。
画像協力/さいたま市
旧坂東家住宅見沼くらしっく館 | |
名称 | 旧坂東家住宅見沼くらしっく館/きゅうばんどうけじゅうたくみぬまくらしっくかん |
所在地 | 埼玉県さいたま市見沼区片柳1266-2 |
関連HP | さいたま市公式ホームページ |
電車・バスで | JR大宮駅から国際興業バスさいたま東営業所行きで20分、三崎台下車すぐ |
ドライブで | 東北自動車道浦和ICから約4km |
駐車場 | 8台/無料 |
問い合わせ | 旧坂東家住宅見沼くらしっく館 TEL:048-688-3330 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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