埼玉県秩父市大滝の神庭地区の荒川の削る断崖にある洞窟が、神庭鍾乳洞(かにわしょうにゅうどう)。荒川の河岸段丘上部の石灰岩が浸食され、水平洞と垂直洞、ドーム状の空間を含め総延長460mの鍾乳洞が誕生。観光施設でないため照明はないので、ヘルメット、ヘッドランプなど持参の上で見学を。
観光洞窟ではないので、装備持参で入洞を
隣接して、少し下部の泥岩層には、5万年前の荒川の浸食で誕生した半洞窟状の神庭洞窟があり、隆起線文土器(りゅうきせんもんどき)などの縄文時代の遺物、獣骨などが出土しているため、縄文時代の狩猟の前線基地だったことがわかっています。
秩父市大滝神庭交流広場(奥秩父神庭オートキャンプ場)から徒歩15分。
登山道のような山道なので、足回りはしっかりと。
神庭洞窟は2つ合わせてジオパーク秩父のジオサイトになっています。
秩父のセメントと鍾乳洞
大滝地区(旧大滝村)には橋立鍾乳洞、平成元年に「パイオニア・ケイビング・クラブ」が発見した瀧谷洞(ろうこくどう=関東最大級の鍾乳洞、非公開)などの鍾乳洞が点在していますが、3億年前~ 2億5000万年前(石炭紀~ペルム紀)に遠い南海の火山島で誕生した緑色岩やサンゴ礁起源の石灰岩が、プレートの移動で運ばれたもの。
大正6年、秩父にセメント工場(浅野総一郎率いる浅野セメント)が設立され、影森で武甲山の石灰石を採掘開始(大正8には日本のセメント生産高の半分を浅野セメントが占有)、大正12年1月30日には83歳という高齢の渋沢栄一の陣頭指揮で、秩父セメントが設立されています。
石灰石の採掘は、衰退した織物業に代わる秩父の主幹産業へと発展しています。
神庭鍾乳洞 | |
名称 | 神庭鍾乳洞/かにわしょうにゅうどう |
所在地 | 埼玉県秩父市三峰女夫岩139-1 |
関連HP | 秩父市公式ホームページ |
電車・バスで | 秩父鉄道三峰口駅から西武観光バス中津川行きで岡本下車、徒歩15分 |
ドライブで | 関越自動車道花園ICから約44km |
駐車場 | 秩父市大滝神庭交流広場を利用 |
問い合わせ | 教育委員会文化財保護課 TEL:0494-22-2481/FAX:0494-23-9294 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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