三峯神社

三峯神社

埼玉県秩父市三峰の山中に鎮座する古社が三峯神社(みつみねじんじゃ)。秩父神社、宝登山神社とともに秩父三社に数えられています。狼(山犬)を守護神に、狛犬の代わりに狼が配されています。日本武尊が碓氷峠(うすいとうげ)に向かう途中で、創建したと伝えられ、江戸時代には三峯講の聖地として繁栄しました。

神仏習合時代には三峯大権現を祀る寺だった!

景行天皇が東国巡行の際、社地から白岩山、妙法ヶ岳、雲取山の三山を眺めたのが三峯の名の由来とも伝わりますが、熊野信仰が関係しているとも推測されています(熊野にも大雲取山や妙法山の名があります)。
中世には神仏習合の修験の聖地として繁栄し、東国武士の尊崇を集めました。

南北朝時代の正平7年(1352年)、足利尊氏に反目し、後醍醐天皇に与した新田義興(にったよしおき)、新田義宗らが身を潜めたことで社領を没収され、衰退。
戦国時代に、三峯大権現を祭り、京の聖護院派の関東総本山として再興。
江戸時代には観音院高雲寺と号していました。

狼が守り神なのは、江戸時代に山中に生息した狼を、猪などから農作物を守る神の使いと農民が「お犬さま」と崇めたことに由来します。
狼の護符を受ける御眷属信仰(ごけんぞくしんこう/眷属=神の使者、つまり山犬を信仰すること)が江戸時代には流行し、三峯講が各地に組織されました。
島崎藤村の『千曲川のスケッチ』で小諸の馬小屋に貼られた三峯神社の札が出てくるので、明治時代には長野県までその御利益が伝わっていたことに。
現在、関東各地の神社の境内に三峯神社が祀られているのは、三峯講があった証(あかし)。

「御眷属拝借」の御神札を授与

明治初年の神仏分離、廃仏毀釈で三峯神社となり、祭神を伊弉諾尊 (いざなぎのみこと)、伊弉册尊 (いざなみのみこと)と定めています。
参拝者の増加を受け、昭和14年には三峰ロープウェイが架けられましたが、平成19年に廃止。

妙法ケ岳(標高1329m)山頂に奥宮が鎮座し、本社からは徒歩1時間ほど。

御眷属信仰は、今も「御眷属拝借」として受け継がれ、火盗除、病気除、諸難除の霊験あらたかという御神札を1年間拝借し、一家の無事息災を祈願するもの(現在は火防・盗賊除け・諸災除けの3枚1組)。
本殿で御祈祷受けた後、「御眷属拝借」の御神札が授与されます(拝借から1年後に返納)。

標高1102mに鎮座する三峯神社は、ジオパーク秩父のジオサイトにもなっています。
三峯と呼ばれる雲取山、白岩山、妙法ヶ岳は、秩父帯のチャートや石灰岩など硬い岩石で形成され、その険しい地形ゆえに古くから修験道の地として成立したというわけなのです。

 

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