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日本にも野生のラッコが生息! 霧多布岬で子育て中!

霧多布・ラッコ

現在、国内で飼育されているのは3匹だけで水族館からも姿を消しつつあるラッコですが、実は北海道の根室半島(根室市)と霧多布岬(浜中町)では、野生のラッコチシマラッコ)が姿を見せています。とくに霧多布岬の夫婦は、2024年6月現在、仲良く子育て中です。

絶滅したと思われていたラッコが、霧多布で子育て中

日本のラッコは絶滅したといわれていましたが、近年、日本最東端の納沙布岬(根室半島先端部)、落石岬・花咲港周辺、そして霧多布岬・嶮暮帰島(けんぼっきとう)周辺でラッコが目撃されています。
霧多布岬でもこれまではエトピリカをひと目見ようと愛鳥家がやって来ていましたが、今ではその数を凌ぐのが、ラッコ目当ての観光客。

北太平洋シーサイドラインとも称される場所になぜラッコが生息するのかといえば、地元の新聞記者の解説では「北方四島からやってくる渡りのラッコ」とのこと。
つまり北方四島(とくに歯舞群島)で生息数が増加したため、新天地、あらなた住処を探し、親潮(千島海流)に乗って根室半島や霧多布などの海岸線にたどり着いたというわけです。
新聞記者が「渡りのラッコ」と解説したのは、営巣するのではなく、夏場にやってくるという出稼ぎ的な存在だったから。
根室半島沖のモユルリ島での営巣が確認されたのを手始めに、生息域は北方領土から根室半島、北太平洋シーサイドラインの霧多布岬、さらには釧路町の尻羽岬(しれぱみさき)へと拡大。

霧多布岬でも2012年頃から毎年のように姿を見せ、地元では新聞の紙面で紹介されていましたが、NPO法人エトピリカ基金理事長で写真家の片岡義廣さんの丁寧な調査で、2016年頃からオス1頭、メス2頭が定住していることが判明、2020年に営巣と子育てが初めて確認され、2024年5月〜6月にも2頭の赤ちゃんが確認されされています(2頭目は6月6日に確認)。

「ミィミィ」と小さな声で鳴く赤ちゃんをお腹の上にのせた母親という構図は、遠来の訪問客を和ませています。
2023年の夏場にも4組の母子が確認されているので、今では十数頭が生息するという一大コロニーになっています。

岬の遊歩道から観察できるますが、環境保全に留意の上、マナーを守って静かに見学を(ドローンを飛ばす行為などは厳禁)。

ちなみに絶滅危惧種(IA類)に指定のラッコのオスは体重40kg以上、メスは25kg〜30kgですが、岬遊歩道のはるか遠くでぷかぷかというケースもあるので、双眼鏡は必携です。

霧多布岬の遊歩道
日本にも野生のラッコが生息! 霧多布岬で子育て中!
名称 霧多布岬/きりたっぷみさき
所在地 北海道厚岸郡浜中町湯沸
電車・バスで JR浜中駅からくしろバス霧多布温泉行きで25分、終点下車、徒歩40分
ドライブで たんちょう釧路空港から約102km
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

霧多布岬

北海道浜中町、浜中湾と琵琶瀬湾を区切るように、太平洋に突き出した霧多布半島東端に位置する岬が霧多布岬(きりたっぷみさき)。正しくは湯沸岬(とうふつみさき)というが、「ゆわかし岬」と読む人が多いため、現在では霧多布岬と通称されています。トッカ

アゼチ岬

北海道浜中町、霧多布島(きりたっぷとう)の西端、琵琶瀬湾に突き出した岬で、夏場は日没の名所となるのがアゼチ岬。霧多布島のもうひとつの岬、霧多布岬とは対照的に、訪れる人も少ない静かな場所です。馬の背状になった岬突端では、夏なら潮風に揺れるエゾ

花咲港

花咲ガニの水揚げで知られる根室の港。根室湾側の根室港根室港区と太平洋側の花咲港区の両方で根室港を形成しています。もともと昭和13年に根室港の副港として整備されたのが始まり。流氷の影響が比較的少ないため、根室では貴重な漁港となっているのです。

 

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