滋賀県彦根市古沢町、彦根城の東北(表鬼門)の方角、大洞山の中腹にある真言宗醍醐派の寺、長寿院。急な石段を上った山門は、額縁となって彦根城が収まり、一幅の絵を見るような素晴らしさで、弁財天坐像を安置していることから「大洞弁財天」(おおぼらべんざいてん)と呼ばれて親しまれています。
大洞山の中腹に建つ「彦根日光」
日光東照宮建立の総奉行を務めた彦根藩4代藩主・井伊直興(いいなおおき)が彦根城の鬼門の地、佐和山の北西部に弁財天を勧請し、彦根領内の領民25万9526人から浄財を募って建立したもので、『大洞弁財天祠堂金寄進帳』は彦根城博物館に保存されています。
長寿院(大洞弁財天)の創建は元禄8年(1695年)。
井伊直興が日光東照宮の改修総奉行として東照宮の改修を行なったのが元禄2年(1689年)〜元禄3年(1690年)のことなので、その経験を反映させたことがよくわかります。
長寿院(大洞弁財天)創建が立身出世にも繋がったのか、元禄10年(1697年)には大老に就任しています。
日光東照宮を修造した甲良宗広(こうらむねひろ)ら甲良大工(現・滋賀県甲良町出身の大工)によって建てられたとする説もありますが、実務的なことは彦根藩お抱えの大工棟梁6人が担当しています。
日光東照宮に似た、極彩色で阿弥陀堂の欄間に眠り猫や象の彫刻があることから、「彦根日光」とも。
長寿院(大洞弁財天)の南側には、龍潭寺、清凉寺もあるのであわせて参詣を。
長寿院(弁財天)は、市神神社(恵比寿)、金剛輪寺(大黒天)、長命寺(毘沙門天)、興福寺(寿老人)、天寧寺(布袋)、青岸寺(福禄寿)とともに近江七福神のひとつに数えられ、商売繁盛を祈願する人々が絶えません。
長寿院(大洞弁財天) | |
名称 | 長寿院(大洞弁財天)/ちょうじゅいん(おおぼらべんざいてん) |
所在地 | 滋賀県彦根市古沢町2617 |
関連HP | 彦江観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR彦根駅から徒歩25分 |
ドライブで | 名神高速道路彦根ICから約4km |
駐車場 | 15台/無料 |
問い合わせ | 長寿院(大洞弁財天) TEL:0749-22-2617 |
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