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石馬寺

石馬寺

滋賀県東近江市五個荘石馬寺町にある臨済宗妙心寺派の古刹、石馬寺(いしばじ)。聖徳太子が馬を木に繋いで、繖山(きぬがきやま=観音寺山・標高432.7m)に登った際、馬が石に変わっていたことが寺の名の由来といい、聖徳太子の創建伝説が伝わる湖東の名刹です。

聖徳太子創建が馬が石に変わるという瑞相で創建

寺伝によれば、推古2年(594年)、この地を訪れた聖徳太子が、馬を松の木に繋いで霊地を探し繖山に登り、下山すると馬が石に化して池に沈んでいたことから、霊異を感じた太子が石馬寺と名付け、伽藍を建立したと伝えられる名刹。
聖徳太子直筆の「石馬寺」の三文字の木額と乗馬像は今もなお大切な寺宝として伝えられています。
また石になったと伝わる馬は、境内の蓮池に背中を見せているのでお見逃しなく。
伝承が事実だとすれば、馬が逃げてしまったことを、石に变化(へんげ)したという瑞相(ずいそう=めでたい前兆現象)としたのかもしれません。

永禄11年(1568年)、織田信長の兵火を受け、往時の伽藍は焼失、寺領も没収となっていますが、慶長8年(1603年)、徳川家康が再興。
現存する大方丈は、寛永11年(1634年)の徳川家光の上洛の際に建設された御殿(御茶屋)である伊庭御殿(現・東近江市能登川町)を、建築から数十年後の伊庭御殿廃止時に移築したもの。

本堂に安置された十一面千手観世音立像、脇立の毘沙門天立像(びしゃもんてんりつぞう)、池蔵菩薩立像の3躯は、いずれも鎌倉時代に運慶(うんけい)の作と伝えられるものですが残念ながら非公開(秘仏は一代の住職が生涯一度だけ御開帳/令和5年に御開帳)。
十一面観音立像など国の重要文化財となった平安時代、鎌倉時代の仏像も11躯あり、寺の歴史を物語っています。

また、四季折々に風情を変える書院の庭は「石馬の石庭」として有名。

聖徳太子が繖山の山上にて千手観音を刻んだのが始まりという観音正寺(近江八幡市安土町)など、東近江市、近江八幡市、日野町、竜王町の2市2町には、全国で最も多く聖徳太子の物語が伝承されています。
密教系の十一面観音像を本尊にする寺院が多いことや、比叡山延暦寺を開いた最澄も仏教を広めたという聖徳太子を信仰していたとされ、そうした太子信仰などを背景に、湖東に寺を建立する際に、聖徳太子を取り入れたとも推測できます。

石馬寺
名称 石馬寺/いしばじ
所在地 滋賀県東近江市五個荘石馬寺町823
関連HP 石馬寺
電車・バスで JR能登川駅から近江バス八日市行で10分、石馬寺下車、徒歩15分
ドライブで 名神高速道路竜王ICから約17km
駐車場 12台/無料
問い合わせ 石馬寺 TEL:0748-48-4823/FAX:0748-48-4823
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。



 

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