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滋賀県立琵琶湖博物館

滋賀県立琵琶湖博物館

琵琶湖の南東岸、滋賀県草津市にある滋賀県立琵琶湖博物館。琵琶湖に突き出た烏丸半島に建てられ、「湖と人間」をテーマに、琵琶湖の誕生から現在までの歴史や、湖の環境と、人や生き物のかかわりについて学ぶことができます。令和2年10月10日にリニューアルオープンし、さらに充実した内容に。

古代湖・琵琶湖の誕生から現在までを楽しく学ぶ

平成8年10月に開館した琵琶湖に関する自然と文化の両方を同時に扱う総合博物館が、滋賀県立琵琶湖博物館。
膨大な展示物をA展示室「湖の400万年と私たち~変わり続ける琵琶湖~」、B展示室「湖の2万年と私たち~自然と暮らしの歴史~」、C展示室「湖のいまと私たち~暮らしとつながる自然~」の3つに分けられた展示室で、体系的に見学することが可能。

A展示室(「湖の400万年と私たち~変わり続ける琵琶湖~」)には、高さ4.5m、世界初の展示となる半身半骨(左半身を生体で復元)のツダンスキーゾウ標本(ツダンスキーゾウ=黄河象、530万年ほど前に中国大陸から渡ってきたとされるゾウで、400万年前の琵琶湖にも生息したであろうと推測)や、地層模型と地層の剥ぎ取り標本、過去の環境を体感できる復元ジオラマなどを展示し、400万年前の琵琶湖や自然、生き物の変化について、現在の環境との関わりとともに紹介。

B展示室(「湖の2万年と私たち~自然と暮らしの歴史~」)では、縄文時代の琵琶湖と、縄文人の暮らしを解説。
「森」「水辺」「湖」「里」をテーマに、木器や漁撈用具のコレクション展示などで、縄文人は自然とどのようにかかわり暮らしてきたのかを紹介していいます。
注目の丸子船のAR展示では、備え付けのタブレット、所定のアプリをインストールしたスマホなどのIT機器を丸子船にかざすと、丸子船に帆を張り、琵琶湖の上を進む仕組み。

そしてC展示室(「湖のいまと私たち~暮らしとつながる自然~」)は、琵琶湖から上流部の森林までさかのぼって、琵琶湖とその流域の多様な生き物や固有種、そして、人との関わりを紹介するまとめのコーナーです。
「ヨシ原に入ってみよう」、「田んぼへ」、「生き物コレクション」のコーナーもC展示室の見どころ。

また、全国でも珍しい淡水専門の水族展示の「水族展示室」もあり、古代湖としての琵琶湖の価値を発信する場所になっています。
「川の中へ」のコーナーでは、琵琶湖に流れ込む川で行われるヤナ漁の場面を再現し、ヤナに飛び跳ねる魚の様子や、下流部で産卵する魚の様子を観察できます。
「古代湖の世界」では、世界有数の古代湖であるバイカル湖とアフリカ大地溝帯の湖に生息する生き物を展示。
さらには、肉眼では見えない微小な生き物の生態をダイナミックに展示する「マイクロアクアリウム」のコーナーも用意されています。

滋賀県立琵琶湖博物館には、オオクチバス(ブラックバス)やなまずなど湖の幸を使ったメニュー、滋賀県立湖南農業高校とのコラボカレー「びわ湖カレー」が味わえるレストラン「にほのうみ」や、ミュージアムグッズのほか、琵琶湖を学べる商品を多く取り揃えたミュージアムショップ「おいでや」も併設。

琵琶湖は世界有数の古代湖

琵琶湖は日本一広い湖として有名ですが、400万年以上の歴史をもつ世界有数の古い湖。
バイカル湖(ロシア)、タンガニーカ湖(タンザニア)などとともに、世界有数の古代湖として注目されています。

400万年前に現在の上野盆地(三重県伊賀市付近)に浅くて狭い湖(大山田湖)が生まれ、その後、断層運動によって地盤が陥没する影響と土砂が凹地を埋める影響を受けながら、北西へと形状や環境を変えて移動し(阿山湖→甲賀湖→蒲生湖→堅田湖)、40万年ほど前に現在の位置にたどりついたもの。

世界でも100万年以上の歴史をもち、固有種がいる古代湖は、20ほどしかなく、日本では琵琶湖だけ。
最初の古琵琶湖からは400万年、現在の琵琶湖になってからでも40万年という大変長い時間の中で琵琶湖の生物の一部は独自の進化をとげ、「琵琶湖の宝石」と称されるビワマス(琵琶湖の固有種としては唯一のサケ科の魚)などの固有種を生み出しています。
しかも、多くの固有種の起源は、100〜300万年前と、現代型の琵琶湖が形成されるはるか以前に遡ることが判明。

京都大学などによる最近のゲノムレベルのデータ解析で、琵琶湖が生物多様性の「創生の地」で、「進化の実験場」であることがわかり、琵琶湖の重要性がさらに増しているのです。

滋賀県立琵琶湖博物館
名称 滋賀県立琵琶湖博物館/しがけんりつびわこはくぶつかん
所在地 滋賀県草津市下物町1091
関連HP 滋賀県立琵琶湖博物館公式ホームページ
電車・バスで JR草津駅から近江バス烏丸半島行きで22分、琵琶湖博物館前下車すぐ
ドライブで 名神高速道路栗東ICから約10km
駐車場 480台/有料(博物館利用の場合は無料)
問い合わせ 滋賀県立琵琶湖博物館 TEL:077-568-4811/FAX:077−568-4850
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

琵琶湖博物館で、絶滅危惧IA類、幻のアユモドキを観察

2024年9月14日(土)〜12月24日(火)、滋賀県草津市の滋賀県立琵琶湖博物館で、『7年ぶりの繁殖成功! 天然記念物・アユモドキ』の展示が行なわれます。この鮎に似て、鮎でないアユモドキ、かつては琵琶湖にも棲息していましたが、今では絶滅。

 

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