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三上山(近江富士)

三上山(近江富士)

「近江富士」の名で知られる三上山は、琵琶湖の東岸、野洲市にある標高は432mの独立峰。西麓の御上神社の御神体で、山頂には奥宮が鎮座しています。俵藤太(たわらのとうだ=藤原秀郷・ふじわらのひでさと)の大むかで退治伝説が残され、「むかで山」の呼び名も。山頂に神が降り立った磐座(いわくら)があり、神が宿る御神山が山名の由来。

山頂の磐座に天之御影神が降臨したと伝わる伝説の山

巨岩累々の登山道
三上山(近江富士)の山頂

近江富士の名があるものの、富士山のような成層火山ではなく、浸蝕から取り残された残丘。
「打ち出でて 三上の山を 詠れば 雪こそなけれ 富士のあけぼの」と紫式部も詠んでおり(大津打出浜にて詠める)、平安時代にはすでに近江富士の名があったと推測できます。

天保13年(1842年)に起こった江戸幕府による不当な検地に抗議し、農民が決起した近江天保一揆・三上騒動の地としても知られています(幕府勘定方・市野茂三郎が三上山の洞窟に逃げ込む)。

ハイキングの対象としても人気で、御上神社からの表道、裏道、近江富士花緑公園コース(初級者向き)と3つのコースがありますが、ファミリー向けは近江富士花緑公園コース、比較的緩やかなのが裏道を上がるコースです。
表道には岩場や鎖場もあり積雪時にはしっかりとした装備が必要です。
いずれも40分〜50分ほどの頑張りで山頂に立つことが可能。

山頂自体は樹林帯ですが、頂上近くの展望台からは琵琶湖や比叡・比良の山並みはもちろん、遠く生駒山まで眺望。

御上神社の天之御影神(あめのみかげのかみ)は刀鍛冶の祖神。
古代近江の製鉄文化にも通じる神様です。
円錐型に見える三上山は実は男山、女山と呼ばれる2つの峰からなり、男山の頂上には天之御影神が降臨したという巨石の磐座(いわくら)があり奥宮が祀られています。
近江には古代の巨石信仰の名残りが数多いがここもそのひとつ。
神聖視され、御上神社の御神体になったことで、燃料不足の時代に伐採も免れて、三上山の自然林が守られてきたのです。

毎年6月18日(三上山の山頂の磐座に祭神が降臨した日)の未明に登頂して神を迎える『山上祭』が行なわれています。
また元旦には初日の出登山大会も開催。

東海道新幹線の車窓からも眺望できます
大津市から「ダイヤモンド近江富士」(撮影/川越久聖)
三上山(近江富士)
名称 三上山(近江富士)/みかみやま(おうみふじ)
所在地 滋賀県野洲市三上
関連HP 野洲市観光物産協会公式ホームページ
電車・バスで JR野洲駅から滋賀交通バス北山台行きで10分、山出下車、山頂まで徒歩40分
ドライブで 名神高速道路栗東ICから約4.4km
駐車場 御上神社駐車場(20台/無料)を利用
問い合わせ 野洲市観光物産協会 TEL:077-587-3710/FAX:077-587-3835
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

滋賀県立近江富士花緑公園

2021年10月7日

御上神社

2018年9月20日

 

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