滋賀県長浜市街にある天台真盛宗(総本山は大津坂本の西教寺)の寺で、秀吉ゆかりの一寺となっているのが知善院。本尊は阿弥陀如来。浅井長政が領主の時代には小谷城の清水谷入口にありましたが、落城後、羽柴秀吉が長浜城の鬼門である丑寅(うしとら:東北)を守るため、長浜の城下へと移しています。
近江長浜の秀吉信仰の中心的存在の寺
天正4年(1576年)、羽柴秀吉は寺領30石の寄進
本尊の阿弥陀如来、脇侍の日光・月光菩薩は、秀吉が中国遠征の際に、播磨(姫路)の書写山円教寺(しょしゃざんえんぎょうじ)から持ち帰ったものと伝わっています。
鎌倉時代の運慶ら慶派作という観音堂の十一面観音坐像は、国の重要文化財。
十一面観音坐像を安置する観音堂は、元禄8年(1695年)、大工・藤岡家一門の初代棟梁・藤岡甚兵衛(ふじおかじんべえ)の築。
さらに知善院の本堂に祀られる豊臣秀吉の木像は大坂城落城時に密かに持ち出されたものとされ、豊臣秀吉に御伽衆として仕えた曽呂利新左衛門(そろり しんざえもん)の作と伝わります。
落語の始祖ともいわれる曽呂利新左衛門ですが、堺時代には刀の鞘を作る職人だったので、木像くらいはお手のものだったのかもしれません。
浅井三姉妹のひとり、淀(茶々)から妹・お初の夫・京極高次に宛てた手紙も残されています。
山門は長浜城の搦手門(からめてもん=裏門)を移築したものという伝承があります。
延享4年(1747)8月に秀吉公150回忌、寛政7年(1795)8月に200回忌を、弘化4年(1847年)に250回忌、昭和6年6月に秀吉公350回忌と長浜での秀吉信仰の中心的な存在になっています。
知善院 | |
名称 | 知善院/ちぜんいん |
所在地 | 滋賀県長浜市元浜町29-10 |
関連HP | 長浜市公式ホームページ |
電車・バスで | JR北陸本線長浜駅から徒歩12分 |
ドライブで | 北陸自動車道長浜ICから約3.2km |
駐車場 | 市営お旅所駐車場(34台/有料) |
問い合わせ | 知善院 TEL:0749-62-5358 |
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