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日本の国道最高所 渋峠|山ノ内町

日本の国道最高所は渋峠です。麦草峠じゃないの?とお思いの方も多いかと思いますがそれは平成4年に無料開放されるまで志賀草津道路(有料道路)だったから。無料開放以後、国道292号となり標高2172mは、それまで日本一だった麦草峠(標高2120m)を抑えて、国道日本一の座に!

渋峠は旧草津街道にある上信国境の峠

渋峠から旧草津街道沿いの芳ヶ平眺望

渋峠は国道292号(志賀草津道路)途中、横手山(2307m)の東肩に位置する峠で、長野県と群馬県の県境。例年11月中旬から翌年4月中旬まで、群馬県側(草津町)の天狗山ゲート~長野県側(山ノ内町) 陽坂ゲート間で積雪により通行止めとなります。

渋峠からは渋峠スキー場リフトの夏山運転である渋峠ロマンスリフトもあり、横手山山頂に歩かず到達することができます。
また、渋峠から草津方面への旧街道に入れば芳ヶ平(よしがだいら)の湿原を経て草津温泉へと通じるトレッキングが楽しめます(山慣れた人向きの登山道です)。

芳ヶ平へと下る道は、江戸時代には善光寺詣での人々が通った脇往還・草津街道です。
江戸時代、草津温泉に逗留した旅人は、草津から大平湿原、芳ヶ平を抜け、渋峠に登り、横手山、草津峠、石の湯、丸池、波坂(なめさか)、上林温泉、渋・湯田中温泉を経て善光寺へと向かったのです。
今の国道292号(志賀草津道路)は実はこの旧草津街道沿いの道です。

渋峠からの白根火山方面の眺め
春の開通直後の渋峠はこんな雪の壁が!

江戸時代の誘客合戦「草津街道VS大笹街道」

現在の志賀高原・横手山・渋峠を越える草津街道には江戸時代、熾烈(しれつ)な客寄せ合戦を展開するライバルが存在しました。
それが現在の峰の原高原、菅平高原を越える大笹街道。こちらは国道406号とほぼ重なります。
現代風にいえば、善光寺(長野市)を目指すのに、東京から草津を経由して志賀高原を越えるのか、軽井沢、上田と走り、菅平を抜けるのかの違い。

文化年間(1804年~1818年)、上信国境(上州=群馬、信州=長野)の渋峠を越える草津街道と大笹宿を通る大笹街道との間で、旅客や荷物の争奪戦が激化。

元来、草津街道は抜け道ででしたが、上州草津温泉の魅力もあり、さらに渋・湯田中を経て信濃を結ぶ最短ルートとして、荷駄の流通・湯治客往来の増加がありました。
文政10年(1827年)、両者の争いは示談により解決。その後も志賀高原越えの草津街道の人気は衰えず、幕末の天保年間(1830年~1844年)から湯田中・渋温泉には飯盛女も認められるほど繁栄。
湯田中・渋の発展の背景には草津街道の繁栄もあったのです。

そんな街道時代から、上信国境の峠として注目されていたのが渋峠です。

「日本国道最高地点」の石碑
建物の中を県境が走る渋峠ホテル

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