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日本軍が演習で敷設した鉄道が前身! 新京成電鉄が、京成電鉄松戸線に

新京成電鉄

松戸駅(千葉県松戸市)〜京成津田沼駅(習志野市)間を走る新京成電鉄。京成グループの一員で、この新京成線26.5kmと沿線で不動産業を展開しています。令和7年4月1日、新京成電鉄が京成電鉄に吸収合併され、新京成線は、京成松戸線に変更されます。

戦後は西武と京成でGHQに対しての争奪戦も展開

松戸駅、京成津田沼駅方面が下りの扱い

日本陸軍鉄道連隊が演習用に敷設した鉄道連隊演習線松戸線を再利用したユニークな鉄道路線で、鉄道連隊は、千葉県内に軽便鉄道の軌道を敷設していますが、新京成線もその一部。

工兵学校が敷設した工兵学校〜八柱演習場間と、鉄道第二連隊が構築した津田沼〜八柱演習場間で昭和7年に開通。
台地の尾根筋を走りますが、川やトンネルがなく、しかも急勾配を避けるなどのためかなりカーブが存在しています。

終戦で廃線なり、京成電鉄と武蔵野鉄道(現・西武鉄道)がGHQに対して跡地の利用を申請し、争奪戦が起こりますが、昭和22年、京成電鉄に使用許可が下り、線路を標準軌に拡幅して、新京成電鉄新京成線の線路に転用することになったのです(その代わりとして新宿線・高田馬場駅〜西武新宿駅の認可を受けたとされています)。

当初は狭軌(1067mm)でしたが昭和34年8月に京成線と同じ標準軌(1435 mm)に改軌され、京成線への直通乗り入れが可能となりました。
複線化されたのは昭和50年2月のこと。

なぜ京成電鉄でなく、新たに新京成電鉄を設立したかには複雑な要因があり、西武との競合で、GHQの裁量で既存のレール、機関車や貨車を西武鉄道に払い下げられたこともあり、鉄や建設資材の不足での建設、まだまだ住む人も少ない台地ということもあって、「新しい会社」というイメージをつくりたかったというのが背景にあります(当初の名称は下総電鉄でした)。
クネクネとしたカーブが続くのは、地形的要因のほかに、鉄道連隊演習線の敷設時に演習のため1連隊につき45kmの線路を敷設する必要があったため、距離を稼ぐ工夫でカーブを増やしたというのが真相です。

誕生から長い歴史を有する新京成も、ついに新がとれる時がやってきたのです。
この新京成電鉄の消滅で、関東地方で唯一の準大手私鉄が消え去ることにもなります。

ちなみに新京成電鉄は、当時の常磐線の大混雑を目にして、松戸駅から江戸川を越え京成金町線・柴又駅を結ぶ4.7kmを計画、未成線となっていますが、都市化も進み着工は無理の状況です。

日本軍が演習で敷設した鉄道が前身! 新京成電鉄が、京成電鉄松戸線に
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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