営業距離が日本一短い鉄道会社はどこにあるのでしょう? 答えは、千葉県成田空港近くを走る芝山鉄道で2.2kmで日本最短。しかし芝山鉄道は第三セクター方式で、京成電鉄に直通乗り入れしています。純粋に乗り入れのない私鉄では、和歌山県御坊市の紀州鉄道で、2.7km。しかも非電化区間です。
紀州鉄道は、片道8分間を往復するミニ私鉄
まずはホームページにも堂々と「日本一短い鉄道」を謳う芝山鉄道。
成田空港の建設で東西の交通が分断されるという代替手段として誕生した第3セクターで、芝山千代田駅〜東成田駅(2.0km)を結び、平成14年10月27日の開業。
筆頭株主は成田国際空港(68.40%)、さらに千葉県(14.59%)と続き、成田国際空港周辺整備の補助金を受けて建設されています。
始発駅の芝山千代田駅の時刻表を見てみると、行先は、上野駅、成田駅、西馬込駅、宗吾参道駅が並び、東成田駅で京成本線直通であることがわかります。
こうしたことから鉄道ファン、とくに乗り鉄には魅力としてはイマイチと映るのかもしれません。
芝山鉄道の誕生まで「日本一のミニ鉄道」として君臨し、今も「日本一短いローカル私鉄」(御坊市のHPのフレーズ)として人気を集めるのは、和歌山県御坊市内を走る紀州鉄道紀州鉄道線(御坊駅〜西御坊駅間、2.7km)。
営業係数は「日本一悪い」鉄道ですが、那須高原、北軽井沢(嬬恋村)、南房総白浜、熱海、箱根、伊豆などのリゾート開発・ホテル経営が好調のためなのか、廃止という話は聞きません。
鉄道ファンの注目度も高く、海外から鉄道系YouTuberがやって来るほどです。
わざわざ乗りに来る乗り鉄も多く、一様に「8分は、たしかに短い」と感動するのだとか。
終点の西御坊駅では運転席から運転手が降りて、最後尾の車両に移り、出発するという光景を目にもできます。
昭和6年6月15日、御坊駅〜御坊町駅(現・紀伊御坊駅)間開業という歴史ある鉄道で、今も往時の設備も使用して運行されていることから、「紀州鉄道及び旧御坊臨港鉄道廃線部分」として、土木学会選奨土木遺産にもなっています。
日本一短い鉄道は、千葉県と和歌山県に! | |
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