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熊野大社

熊野大社

島根県松江市にある熊野大社。古代には天狗山(標高610.4m)の山頂に鎮座したという古社。天狗山は古来、熊成峯(くまなしのみね=熊野山)と呼ばれた山。古くは出雲国一之宮として出雲大社以上に崇敬を集めました。熊野村(現・松江市八雲町熊野)の里人が紀伊国に移住の際、分霊を勧請したのが熊野本宮大社の創始とも。意宇六社の一社。

世界遺産の熊野本宮大社のルーツがここ!?

主祭神は素盞鳴尊(すさのおのみこと)ですが、平安時代編纂の『延喜式神名帳』には、熊野大神櫛御気野命(くまのおおかみくしみけぬのみこと=素戔嗚尊の別神名)と記されています。
素盞鳴尊がこの地で初めて火を起こしたことから、火の発祥の神社として「日本火出初之社」(ひのもとひでぞめのやしろ)とも呼ばれています。

『日本書紀』には、「国造り神話」で知られる素盞鳴尊は、国造りの後、熊成峯で柏葉を使って占いを行ない、日御碕に鎮座したと記されています。

天狗山には熊野大神櫛御気野命を祀った磐座一対があり、元宮成(げんぐうなり)という祭祀を行なった遺跡や柱の礎石と推測される大石が笹に埋れています。

大社造の本殿は、昭和23年築。
鑽火殿は大正4年築。

毎年10月15日に執り行なわれる『鑚火祭』では、出雲大社の宮司(國造)が11月23日の『古伝新嘗祭』(こでんしんじょうさい)に使用する神聖な火を起こすため、燧臼(ひきりうす)と燧杵(ひきりぎね)を受け取りに熊野大社を訪れます(出雲大社の祭事ではお供えされる食事は燧臼と燧杵で起こした神聖な火を使って作っています)。
この行事が『亀太夫神事』で、燧臼、燧杵は普段は、鑚火殿に収蔵保管されています。

『鑚火祭』の『亀太夫神事』
熊野(和歌山県)と出雲(島根県)の関係とは!?
熊野(和歌山県)と出雲(島根県)には共通する地名や神社も多く、紀伊の海人族が出雲に移住し熊野大神や紀伊・須佐の海洋神であるスサノオ崇拝を移したとする説もあります。
どちらがルーツかは今後の解明が待たれますが、出雲と熊野には古代、深い関わりがあったことがわかります。
熊野大社
名称 熊野大社/くまのたいしゃ
所在地 島根県松江市八雲町熊野2451
関連HP 熊野大社公式ホームページ
電車・バスで JR松江駅から一畑バス八雲行きで30分、八雲車庫下車、八雲バス熊野行きに乗り換えて20分、熊野大社前下車
ドライブで 山陰自動車道東出雲ICから約10km。松江玉造ICから約15km
駐車場 100台/無料
問い合わせ 熊野大社 TEL:0852-54-0087/FAX:0852-54-0249
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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