唐津市の東松浦半島・土器崎(かわらけざき)先端にある海食洞が七ツ釜で、「屋形石の七ツ釜」として国の天然記念物に指定された奇勝。玄武岩の柱状節理が玄界灘の波の浸食によってできたもので、断崖に7つの洞門があることから「七ツ釜」の名があります。
長い歳月をかけて生み出された玄武岩柱状節理の造形美
海食洞は最大で間口と高さが3m、奥行きは110mにもおよびますが、呼子港(マリンパル呼子)から就航する遊覧船「イカ丸」で、洞窟を間近に見学できます。
波の状況しだいでは、洞窟内に入ることも可能で、所要約40分。
海底には弥生時代から江戸時代の土器や陶磁器が散乱し(遺物の大半を占めるのは江戸中期の陶器)、唐津市の「七つ釜海底遺跡」となっています。
七ツ釜の上は草原となっていて展望台や遊歩道が整備されています。
一帯の玄武岩の台地は、新生代の第三紀の終わりころ(2.1万年~3.6万年前)の溶岩流で生まれたもの。
佐賀県内では地質鉱物として唯一の国の天然記念物に指定されています。
土器崎は、神功皇后が三韓遠征(新羅出兵)出陣の際に酒を入れた土器を海神に供えた場所との伝承もあり、気長足姫尊(おきながたらしひめのみこと=神功皇后)を祀る土器崎神社が鎮座しています。
ちなみに土器崎の西にある呼子町大友の入江は、かつての風待ち湊の鞆(とも)で、三韓遠征の際、神功皇后はここから壱岐・対馬を経て朝鮮半島へと渡ったと伝えられています。
古代の朝鮮への渡海ルートにあたるというわけなのです。
フリーダイバーのジャック・マイヨール(Jacques Mayol)ゆかりの地としても有名。
上海生まれのジャック・マイヨールは、少年時代、夏には虹の松原の「東屋ホテル」で避暑生活を送っています。
そんな夏に、七ツ釜まで足をのばし、初めてイルカと出会ったのが、フリーダイバーへの原点ともなっているのです。
遊覧船の話では、「今でも年に数回はイルカに遭遇する」とのこと。
七ツ釜 | |
名称 | 七ツ釜/ななつがま Nanatsukama |
所在地 | 佐賀県唐津市屋形石 |
関連HP | 唐津観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR唐津駅大手口バスセンターから昭和バス湊経由・呼子行きで30分、七つ釜入口下車、駐車場まで徒歩20分。岬の先端まではさらに徒歩7分 |
ドライブで | 厳木多久道路牧瀬ICから約22km。または、西九州自動車道(福岡前原道路)前原東ICから約39km |
駐車場 | 七ツ釜駐車場(110台/無料) |
問い合わせ | 唐津市観光課 TEL:0955-72-9127 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag