静岡市街の南に位置する弥生時代の集落・水田遺跡。昭和18年、登呂地区の水田に軍需工場(プロペラ工場)が建設されたが工事の途中に丸木舟など多くの木製品が出土。国の特別史跡に指定されている他、平成28年8月17日に登呂遺跡出土品(考古資料)775点が国の重要文化財に指定されました。
ひとつの集落がほぼ完全なかたちで残る貴重な遺跡
戦時中の昭和18年、工事にあたっていた鹿島組の小長井鋼太郎氏の配慮で出土品が保管され、帝室博物館(現国立博物館)など研究者が視察に訪れました。その結果、戦時下にも係わらず学術的発掘調査が行なわれることになり、終戦直後も東大・明大が中心となり学術調査が続けられ、出土エリアの小字(こあざ)を採って遺跡の名前が登呂遺跡と名付けられました。
その後の国家的なプロジェクトとなった発掘調査の結果、2000年前の生活用具、農業用具、狩猟具などが多数出土し水田と集落の全貌が明らかになったのです。
現在、「登呂公園」(「日本の歴史公園100選」にも選定)として整備された園内には、竪穴式住居や高床式倉庫が復元され、当時(弥生時代後期=1世紀頃)の村の様子を伝えています。また、外からの水の浸入を防ぐように建てられた住居跡や、ネズミの侵入を防ぐネズミ返しが付いた倉庫などにも注目です。
農耕文化を特徴づける水田の跡などもあって、ひとつの集落がほぼ完全なかたちで残る貴重な遺跡となっています。
水田は、住居群の東南側(現在の静岡市立登呂博物館横)に短辺250m、長辺400m、面積8haの水田が耕作されていたことがわかっています。南北に縦断する水路の東に4列、西に1列の水田が並び、外側は沼地になっていました。
現在、復元された水田には赤米(古代米)が植えられています。
「都市公園法施行50周年等記念事業実行委員会」によって選定された歴史公園で、100選というものの全国の250ヶ所の公園が選定されています。静岡県内では、登呂公園のほか、 駿府城公園(静岡市)、 沼津御用邸記念公園(沼津市)、三島市立公園楽寿園(三島市)、秩父宮記念公園(御殿場市)の合計5ヶ所が選定されています。
登呂遺跡(登呂公園) | |
名称 | 登呂遺跡(登呂公園)/とろいせき(とろこうえん) |
所在地 | 静岡県静岡市駿河区登呂5-10-5 |
関連HP | 静岡市立登呂博物館公式ホームページ |
電車・バスで | JR静岡駅から静鉄バス登呂遺跡行きで20分、終点下車、すぐ |
ドライブで | 東名高速道路静岡ICから約3km |
駐車場 | 60台/有料 |
問い合わせ | 静岡市立登呂博物館 TEL:054-285-0476 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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