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静岡浅間神社

静岡浅間神社

駿河国(するがのくに)の総社が静岡市にある静岡浅間神社。静岡駅から北へ2km、賎機山(しずはたやま)の南麓にあり、神部神社(かんべじんじゃ)、浅間神社(あさまじんじゃ)、大歳御祖神社(おおとしみおやじんじゃ)の3つを総称して浅間神社(せんげんじんじゃ)と呼んでいます。竹千代(徳川家康)が元服した場所もこの社です。

家康、静岡浅間神社で元服し、松平元信を名乗る

神部神社・浅間神社の楼門
楼門の水呑の龍

神部神社、浅間神社、大歳御祖神社の三社は鎮座以来独立の神社として扱われ、江戸時代まではそれぞれ別の社家が奉仕していました。

今川義元の元、天文24年(1555年)、駿府で人質生活を送る14歳の竹千代が元服し、今川義元に偏諱をもらい松平元信となっています。
さらに天正10年(1582年)、賤機山の武田氏の城を攻撃する際、社殿を焼き払ったため、駿河領有後に社殿を再建しています。

江戸時代には、徳川家康崇敬の神社として歴代将軍の祈願所にもなりました。

現存する社殿の多くは、文化元年(1804年)から60年余りの歳月をかけて造られたもの。
本殿、拝殿、舞殿、回廊、楼門は、すべて漆塗りに極彩色が施され、重厚な造り。
境内社を含め26棟の建物が国の重要文化財に指定されています。

文化12年(1815年)築の神部神社・浅間神社の楼門には「水呑の龍」「虎の子渡し」の見事な彫刻があり、二層部分に「當國總社・冨士新宮」の扁額が掲げられています。
文政3年(1806年)築の舞殿の立川流彫刻(「飛龍」、木鼻「獏」)など、それぞれの社殿には彫刻美術館といえるような見事な彫り物が施されています。

本殿は向かって左側が浅間神社(あさまじんじゃ)、右側が神部神社という比翼三間社流造りで文化10年(1813年)の築。
大拝殿は高さ25mで、木造神社建築としては出雲大社本殿(24m)を凌いで日本一の高さになっています。

浅間神社の祭神は富士山そのものを御神体とする木之花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)。
延喜元年(901年)に醍醐天皇の勅願により、富士山本宮浅間大社(現・富士宮市)から分霊を勧請したもの。
富士新宮といえども1100年の歴史を誇ります。
安産、子授け、火難消除、縁結びにご利益があり、航海・漁業・農業の守護神。

駿河国総社の神部神社の祭神は駿河国開拓の祖神・大己貴命(おおなむちのみこと/大国主命の別名、 駿河国開拓の祖神)で、社伝によれば崇神天皇の御宇の鎮座というから登呂に弥生文化が栄えた頃にはすでに何らかの社があったことになります。
その後、駿河国の国府が定められて、国司が参拝する総社になったと伝えられています。
延命長寿、除災招福などにご利益があります。

神部・浅間両神社の拝殿である日本一の大拝殿

大歳御祖神社、八千戈神社と美しい社殿が並ぶ

大歳御祖神社
八千戈神社

天保7年(1836年)築の大歳御祖神社は、三間社流造りで、拝殿、楼門は第二次世界大戦の戦災で焼失後の再建。

境内社の八千戈神社(やちほこじんじゃ)は、神仏混淆時代には徳川家康の念持仏である摩利支天(仏教の守護神)を祀ったものですが、明治の神仏分離で仏像は賤機山(しずはたやま)東麓の臨済寺(静岡市葵区大岩)に移され、八千戈神社になっています。

神部神社、浅間神社に次ぐ大きさの社で、武道・開運・スポーツの守護神として尊崇されています。
家康は、勝瓢(かちふくべ/ふくべ=ひょうたん)を勝ち守としていたため、今も「勝瓢」を奉納する習慣があります。

大歳御祖神社の本殿裏には賎機山古墳(しずはたやまこふん)があり、一帯が古くから拓けた地であることがわかります。
円墳は、復元整備が行なわれ、石室は照明設備が完備し外側から見学が可能。

ちなみに駿河国の国府、国分寺(片山廃寺跡が有力)、国分尼寺がどこにあったのか、今も定かでありません。

静岡浅間神社
名称 静岡浅間神社/しずおかせんげんじんじゃ
Shizuoka Sengen Jinja Shrine
所在地 静岡県静岡市葵区宮ケ崎町102-1
関連HP 静岡浅間神社公式ホームページ
電車・バスで JR静岡駅から静鉄駿府浪漫バス(市内循環レトロバス)で10分、浅間神社下車、すぐ
ドライブで 東名高速道路静岡ICから約5.6km。新東名高速道路新静岡ICから約7km
駐車場 80台/30分まで無料
問い合わせ 静岡浅間神社 TEL:054-245-1820
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

取材協力/静岡県

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