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宇津ノ谷集落

宇津ノ谷集落

静岡市駿河区宇津ノ谷、宇津ノ谷峠の手前、旧東海道の面影を色濃く残す、丸子宿と岡部宿間の間の宿(あいのしゅく)の家並みが宇津ノ谷集落。「立場茶屋」として御羽織屋(石川家)が近年まで家伝の陣羽織を展示していましたが、今では閉館し、家並みを見学するのみとなっています。

街道時代の間の宿の家並みが現存!

天正18年(1590年)、豊臣秀吉の小田原攻めの際、旧道の蔦の細道では大軍が進軍できないことから、宇津ノ谷峠の西1kmに新道を開削、その折りに褒美として秀吉から陣羽織を与えられたという立場茶屋が御羽織屋です。
江戸時代の東海道は、この秀吉が開いた道をそのまま利用しています。

松平家忠(深溝松平家の第4代当主で酒井忠次配下の戦国武士)の『家忠日記』(天正3年~文禄3年/1575年~1594年の日記)には、郷民が勝栗と馬の沓を捧げて秀吉に小田原東征は縁起が良いと告げると、秀吉は大いに歓び胴服(陣羽織)と黄金を与えたと記されています。
御羽織屋にある豊臣秀吉の陣羽織が汚れているのは、江戸時代の参勤交代で峠を通る諸大名がここに立ち寄り、秀吉の立身出世にあやかるために陣羽織に触れたためなのだとか。
徳川家康が鷹狩で立ち寄った際に贈った呉須の茶碗、徳川慶喜が贈った「蔦の細道」の銘が入った赤絵の茶碗も収蔵されています。

宇津ノ谷集落は旧街道沿いに40戸ほどが並ぶ小さな集落ですが、静岡市では、宇津ノ谷地区を都市景観条例で「美しいまちづくり推進地区」に指定し、修景が行なわれるなど景観の保全に取り組んでいます(平成17年度都市景観大賞「美しいまちなみ賞」優秀賞を受賞)。

道の駅宇津ノ谷峠に車を入れ、徒歩5分ほどで宇津ノ谷集落。
宇津ノ谷集落の先には、宇津ノ谷隧道(明治のトンネル)も現存するのであわせて見学を。

宇津ノ谷集落
名称 宇津ノ谷集落/うつのやしゅうらく
所在地 静岡県静岡市駿河区宇津ノ谷
関連HP 静岡市公式ホームページ
電車・バスで JR静岡駅から静鉄バス藤枝駅行きで30分、宇津ノ谷入口下車、徒歩5分
ドライブで 東名高速道路静岡ICから約10km
駐車場 道の駅宇津ノ谷峠駐車場を利用
問い合わせ 静岡市都市局 TEL:054-221-1049/FAX:054-221-1135
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

宇津ノ谷隧道(明治のトンネル)

鞠子宿(丸子宿)と岡部宿の間にある東海道の難所、宇津ノ谷峠(うつのやとうげ)。平安の昔から現在まで東海道はこの宇津ノ谷峠を抜けています。聞き慣れない地名ですが、ユニークなのはここが「道路の博物館」ともいうべき存在なこと。明治9年開通の宇津ノ

蔦の細道

静岡県静岡市駿河区宇津ノ谷と藤枝市岡部町の境、宇津ノ谷峠越えの最も古い道が蔦の細道(つたのほそみち)。律令時代の駅伝制では郡家間交通路の伝馬の道、平安時代からは官道(現在の国道)として多くの人が往来した古道で、ハイキングコースとして現存して

丁子屋

静岡県静岡市駿河区丸子、東海道丸子宿(まりこしゅく=鞠子宿)で、慶長元年(1596年)創業の老舗が、丁子屋(ちょうじや)。歌川広重の『東海道五十三次』にも描かれる宿場名物のとろろ汁は松尾芭蕉の句(梅若菜丸子の宿のとろろ汁/『猿蓑巻の五』)や

 

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