静岡県沼津市下香貫にある沼津御用邸一帯を記念公園として公開したのが、沼津御用邸記念公園。明治26年、皇太子だった大正天皇の御静養別御殿として開設され、明治38年に沼津御用邸となったもの。昭和44年に御用邸としての機能を終え、公園として整備、西附属邸も内部を一般公開しています。
昭和44年まで御用邸だった施設を公園として公開
静岡県駿東郡の楊原村(やなぎはらむら=現在の沼津市下香貫一帯)と呼ばれる小さな漁村は、気候が温暖で、前面に駿河湾、背後に富士山という風光明美な地だったことから、陸軍大臣・大山巌(おおやまいわお)、海軍大臣・川村純義(かわむらすみよし)、文部大臣・大木喬任(おおきたかとう)、陸海軍大臣・西郷従道(さいごうつぐみち=西郷隆盛の弟)も別荘を構えていました。
明治22年には東海道線も開通し(当時は丹那トンネルがなく、御殿場回りです)、御用邸建設の条件が整い、明治38年に、昭和天皇、秩父宮、高松宮が使用する沼津御用邸が造営されました。
沼津御用邸は、その後数回の増築が行なわれ、明治、大正、昭和天皇と3代にわたっての御用邸となりましたが、昭和20年7月の沼津大空襲で本邸が焼失、その後は西附属邸が本邸の役目を果たすようになりました。
その後、施設の老朽化、環境の変化なども進んだため、昭和44年、沼津御用邸は廃止され、沼津市に無償貸与されたため、沼津御用邸記念公園として整備され、昭和45年に公開されています。
西附属邸は、襖や床の間のある和室にカーペットを敷き、猫足の椅子を入れた謁見所などが、明治の雰囲気を伝えています。
また皇族のお印が入った「レースひざかけ」など、オリジナルグッズを販売する売店や、御用邸そば処、厩舎として使用されていた建物を改修した喫茶「主馬(しゅめ)」 、沼津市歴史民俗資料館などが併設されています。
駿河湾沿いに富士山展望台があり、晴天時には富士山を一望に。
日本の歴史公園100選にも選定されています。
沼津御用邸記念公園 | |
名称 | 沼津御用邸記念公園/ぬまづごようていきねんこうえん |
所在地 | 静岡県沼津市下香貫島郷2802-1 |
関連HP | 沼津御用邸記念公園公式ホームページ |
電車・バスで | JR沼津駅から東海バス三津方面行き・伊豆箱根バス長岡行きで10分、御用邸下車、徒歩2分 |
ドライブで | 東名高速道路沼津ICから約10km |
駐車場 | 120台/無料 |
問い合わせ | 沼津御用邸記念公園 TEL:055-931-0005/FAX:055-933-3614 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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