「さるぼぼ」とは、飛騨地方(岐阜県北部)の縁起物。母親が娘の縁結び・安産・夫婦円満を願い、娘に与えたもので、「さるぼぼ」のさるは、文字通り猿、「ぼぼ」は赤ちゃん(産まれた赤ん坊を見に行くことは「ぼぼ見」)で「猿の赤ん坊」の意。この「さるぼぼ」、ブーム到来中です!
「さるぼぼアイス」の登場で、さるぼぼブームが沸騰中
縁起物として、飛騨高山(岐阜県高山市)では土産店などではよく見かける郷土民芸にもなっている「さるぼぼ」。
ルーツは奈良時代に中国から日本の貴族伝わった天児(あまがつ=日本の人形の祖型のひとつ)。
病気、穢(けがれ)、厄(やく)などの形代(かたしろ)として身代わりに背負ってくれる存在だったもの。
幼児死亡率が高かった時代、布の中に綿を詰めた人形を枕元に置いて、赤ちゃんの成長を祈ったのです。
中世には、這子(ほうこ)、いわゆる「はいはい人形」として、庶民に広まったのだと推測できます。
現在のぬいぐるみのように、幼児の人形として愛されるようになり、山国飛騨では身近な猿の赤ちゃんを模したのでしょう(飛騨では江戸時代の庚申信仰で、「くくり猿」を庚申堂に奉納するという風習もありました)。
赤い理由は、疫病除け、とくに天然痘除けになると信じられてきたから。
猿も災いが「去る」、さらには家庭猿満(かていえんまん)、猿結ぶ(えんむすび)をかけているのだとか。
高山名物の「朝市」でも、地元のおばちゃんたちがそれぞれ独自のさるぼぼを作っていて、好みのさるぼぼを購入できます。
人気を背景に、粗悪な中国製なども登場したため、「飛騨のさるぼぼ製造協同組合」が結成され、地元産をPRしています。
そんなさるぼぼは、訪日外国人にも大人気で、最近ではさるぼぼをかたどった「さるぼぼアイス」、「さるぼぼチュロス」も登場。
さるぼぼブームが沸騰中です。
「さるぼぼアイス」は、飛騨牛乳味、地元・小屋垣内農園の「雪見いちご」を使ったいちご味、濃厚チョコに飛騨牛乳をブレンドしたチョコレート味、明治13年創業「野畑茶舗」の抹茶を使用した抹茶味の4タイプあって、レトロな町並みをバックにしての記念撮影にも絶好。
北アルプスの玄関口、奥飛騨温泉郷・平湯温泉の「アルプス街道平湯」には国産の米粉を使用したグルテンフリーな「さるぼぼチュロス」も販売され、これまた話題に。
「思い出体験館」(飛騨の里店)ではさるぼぼ作りの体験も実施。
訪日外国人にも大人気! 飛騨の縁起物「さるぼぼ」ブーム到来!? | |
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