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田名部まつり(田名部神社例大祭)|むつ市|2024

田名部まつり(田名部神社例大祭)

2024年8月18日(日)~8月20日(火)、青森県むつ市で東北夏祭りのフィナーレを飾る『田名部まつり』が開催。田名部通り(現在の下北半島)の総鎮守・田名部神社(たなぶじんじゃ)の例大祭で、下北最大規模の祭り。野辺地町の『のへじ祇園まつり』とともに北前船で京の文化が運ばれた「本州最北の祇園祭」です。

北前船が運んだ下北の祇園祭は5台の山車が巡行

 
東北夏祭りのフィナーレを飾る田名部神社例大祭『田名部まつり』では、雅やかな祇園囃子のなか、きらびやかに飾り付けられた5町(横迎町、小川町、柳町、本町・田名部町、新町)5台の山車(やま)が市内を練り歩きます。

寛政5年(1793年)、江戸時代後期の旅行家で本草学者・菅江真澄(すがえますみ)の『牧の朝露』(『諸国巡遊菅江真澄遊覧記』)にすでに現在のようなかたちで祇園祭が行なわれていることが記されているので、それ以前に創始されたものだということがわかっています。

陸奥湾(大湊湾)に停泊した北前船からの荷の積み卸しが田名部川の川湊で行なわれたことから、北前船で京の天王祭(祇園)が運ばれたもの(京の祇園社は江戸時代まで神仏習合で、仏教の守護神・祇園精舎の牛頭天王を祀っていました)。

江戸時代には陰暦7月18日〜7月20日に行なわれていましたが、明治3年に西暦に換算して8月18日~8月20日に変更されています。

田名部5町から出される山車は、大水引き幕、小水引幕、見送り幕という幕で飾られていますが、京で制作されたり、長崎から入った中国製のものもあるのだとか。

8月18日には「おしまこ流し踊り」(田名部おしまこ=下北半島一帯で唄い踊られる盆踊り・盆唄)が彩りを添え、8月19日にはみこし祭りが行なわれます。

祭り終演は8月20日20:30頃~の「五車別れ」。
翌年の再開を約束し、樽酒を振る舞い、誰それと無く酌み交わします。

五車別れ
おしまこ流し踊り

蝦夷地の玄関口として栄えた田名部

江戸時代、江差、松前など蝦夷(北海道)を出港し、命からがらに津軽海峡を渡った北前船の最初の寄港地が陸奥湾。

下北半島の田名部、野辺地、川内は南部藩、津軽半島側は弘前藩と、両藩は競って北前船の交易に力を入れていました。

北前船は、本州最初の停泊地である野辺地、田名部、川内などで、資材、食材をどこで売るかを判断するため(もっとも高値で売れる場所で荷を下ろす)、各地の相場、相場を予測する為の情報が集まる廻船問屋を重宝したのです。

つまり、田名部、野辺地、川内などの湊には、交易によって物資だけでなく、情報や文化も集積していったのです。

田名部まつり(田名部神社例大祭)|むつ市
開催日時 2024年8月18日(日)~8月20日(火)/毎年8月18日~8月20日
所在地 青森県むつ市田名部
場所 田名部神社
関連HP むつ市公式ホームページ
電車・バスで JR大湊線・下北駅からタクシーで10分
ドライブで 青森自動車道青森中央ICから約100km
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 下北観光案内所 TEL:0175-34-9095
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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