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大山記念館洋館

大山記念館洋館

陸軍大臣、陸軍参謀総長などを歴任した明治の元勲・大山巌(いわお)は、那須野ヶ原の開拓、殖産興業政策の一環で、明治14年に従兄の西郷従道(さいごうつぐみち)とともに加治屋開墾場を開設、そして明治34年に各自の部分に分割して大山農場(243ha)が発足しました。現存する、大山記念館洋館は、明治38年頃に建てられた別荘です。

那須を愛した大山巌の墓は、JR西那須野駅東口近くに

大山農場発足直後に、農場内に木造平屋建ての和風別荘を建築していますが、故郷、鹿児島で一般的な台風にも耐える強固な造りとなっています。
洋館は事務所として、和館は別荘として使用されました。
洋館の建築には外国人が関わったと伝えられますが、設計者を含めて定かでありません。
レンガは農場内で焼成しています。
大山記念館洋館の北側には、冬の強い西風を避ける土手も構築。

洋館が建てられたと推測される明治38年は、東郷平八郎と並んで「陸の大山、海の東郷」といわれた日露戦争終結の年。
12月7日に東京・穏田の私邸に凱旋帰国しています。
西洋文化への憧憬が強く、「ルイ・ヴィトンの日本人顧客となった最初の人」ともいわれる大山巌ですから、築いた洋館もかなり本格的です(自邸はドイツの古城をモチーフにしています)。

戦前は、華族世襲財産法によって農場の土地は切り売りされることもありませんでしたが、戦後の農地開放で農場は解体。
農地は、昭和44年10月9日に栃木県が大山家から買収。
栃木県立那須農業高校(現・栃木県立那須拓陽高校)の大山農場となっています。
大山記念館洋館もその敷地内にあるため、見学にあたっては1週間前までに那須拓陽高校事務室へ事前連絡が必要。

ちなみに、那須をこよなく愛した大山巌の墓所(大山元帥墓所)は、JR西那須野駅東口近くにあります。
大正5年に死去した大山巌は、国葬が執り行なわれ、生前の意向で農場や別荘があった那須に葬られたのです。
那須に残る、永田、鍛冶屋などの地名は、大山巌の故郷、鹿児島に由来。

大山記念館洋館
名称 大山記念館洋館/おおやまきねんかんようかん
所在地 栃木県那須塩原市下永田4-3-52
関連HP 那須塩原市公式ホームページ
電車・バスで JR西那須野駅から徒歩15分
ドライブで 東北自動車道西那須野塩原ICから約7.5km
駐車場 なし
問い合わせ 那須塩原市教育部生涯学習課文化振興係 TEL:0287-37-5419/FAX:0287-37-5479
那須拓陽高校事務室 TEL:0287-36-1225
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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