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徳蔵寺

徳蔵寺

栃木県足利市にある建久元年(1190年)創建という天台宗の古刹が、徳蔵寺。文化10年(1813年)建立の羅漢堂にはピラミッド型になった10段に513体の五百羅漢(栃木県の文化財)が並び、壮観。愛染堂に安置される愛染明王像は、円仁(慈覚大師)作とも伝えられ、足利市の文化財に指定されています。

舟運の隆盛を背景に廻漕問屋が奉納した五百羅漢

五百羅漢はピラミッド型の最上段に、阿弥陀如来坐像1体、観世音菩薩立像1体、勢至菩薩立像1体を配し、その下に像高28cmの五百羅漢像500体を並べています。そして段の角には釈迦の弟子の立像10体があり、合計513体に。

江戸時代の足利は、富士講の開祖・角行(かくぎょう)が二度訪れるなど、富士山信仰の拠点としても機能していたので、富士山を意図してピラミッド型になっているのかもしれません。

このピラミッド型の五百羅漢像は、釈迦の入滅後、釈迦の説いた教えを後世の人々に伝えんと結集(けつじゅう)した十大弟子、智慧第一の舎利弗(しゃりほつ)、 神通第一の目連(もくれん)、 頭陀第一の摩訶迦葉(まかかしょう)、 天眼第一の阿那律(あなりつ)、 解空第一の須菩提(しゅぼだい)、 説法第一の富楼那(ふるな)、 論義第一の迦旃延(かせんねん)、 持律第一の優波離(うばり)、 密行第一の羅喉羅(らごら)、 多聞第一の阿難(あなん)の各尊者、そして仏教で供養尊敬を受けるに値する500人(五百羅漢)を立体的に表現しているのです。

建長寺(神奈川県鎌倉市)、喜多院(埼玉県川越市)、あるいは羅漢寺(大分県中津市)とともに日本三大五百羅漢に数えられています。

徳蔵寺境内にはピンポン道場があり、ピンポン寺とも通称されてています。
もともとは、昭和51年に親子の断絶を防ぐため、話し合いのテーブルの代わりにピンポン台を出して、ピンポン玉の様に会話が行ったり来たりする中で、人間形成をという試みを始めたことに由来し、その後、寺子屋ピンポンとかピンポン寺と呼ばれるように(今ではカーナビでもピンポン寺で検索が効くようになったのだとか)
三面出世大黒天を祀り、足利七福神めぐりの大黒天の寺に。
参拝は自由ですが、文化財見学は予約が必要。

寺の背後には渡良瀬川が流れますが、舟運の全盛時代には、北猿田河岸(きたやえんだがし)が川湊(足利・桐生の外港)として繁栄し、「萬屋」、「問忠」など5軒の廻漕問屋が舟運に携わっていました。
渡良瀬川を下り、古河を経て利根川に入り、 関宿から江戸川を下って江戸日本橋浜町河岸につながっていました(北猿田河岸~奥戸河岸は小鵜飼船、奥戸河岸〜江戸は高瀬船で、江戸までの下りには通常2日、上りは10日ほど必要)。
つまり、足利の地場産業の織物も、この北猿田河岸から運び出されたのです。

徳蔵寺の五百羅漢も、舟運の隆盛を背景に、北猿田の河岸問屋「萬屋」の11代・吉右衛門が中心となり5軒の問屋で奉納。

徳蔵寺
名称 徳蔵寺/とくぞうじ
所在地 栃木県足利市猿田町9-3
関連HP 徳蔵寺公式ホームページ
電車・バスで JR足利駅からタクシーで5分
ドライブで 北関東自動車道足利ICから約6km
駐車場 あり/無料
問い合わせ 徳蔵寺 TEL:0284-41-8621
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

日本三大五百羅漢とは!?

五百羅漢は、一切の煩悩(ぼんのう)を払って修行の最高位に達した仏弟子500人ことで、その功徳を授かれるのが五百羅漢像です。日本三大五百羅漢に数えられるのは、徳蔵寺(栃木県足利市)、喜多院(埼玉県川越市)、建長寺(神奈川県鎌倉市)、そして羅漢

 

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