サイトアイコン ニッポン旅マガジン

池上本門寺

池上本門寺

東京都大田区池上にある日蓮宗の大本山、池上本門寺。弘安5年10月13日(1282年11月14日)、日蓮がこの地で入滅(臨終)したとされる地で、正式名は長栄山本門寺。もとは当地を治めた池上宗仲(いけがみむねなか)の邸宅で、日蓮に深く帰依した宗仲が日蓮入滅後に土地を寄進し、日蓮宗の大本山となったもの。

日蓮が入滅した地に建つ日蓮宗の大本山

日蓮は、建治3年(1277年)の暮れに胃腸の病を発し、弘安5年(1282年)の秋になると、身延の寒さでは辛いということから、常陸国(現・茨城県)の温泉(現在の水戸市加倉井町にあった加倉井の湯と推測されています)で療養することになり、身延を出立し、富士山の北麓から箱根を越えて、武蔵国荏原郡(現・東京都大田区)で、旅を続けることが困難なほど病状が悪化。
鎌倉時代の武士で、日蓮の有力檀越だった池上宗仲の邸に入り、主要な門下が参集するなか、「立正安国論」の講義を行ない、自身の墓は身延に建立することを遺言して没しています。

池上宗仲(現在の大坊本行寺あたりが居館)は、法華経の字数(6万9384字)に合わせて6万9384坪を寺領として寄進し、本門寺を建立し、日蓮の弟子・日朗が寺を継承し、関東武士の庇護を受けています。
江戸時代には日蓮宗に帰依した加藤清正、そして紀州徳川家の尊崇も。

壮大な規模の大伽藍のほとんどは第二次世界大戦の空襲で焼失していますが、五重塔、総門、経堂、宝塔は当時のもの。
国の重要文化財に指定される高さ31.8mの五重塔は、初層を和様、上層を唐様にした美しい姿が印象的。
慶長13年(1608年)、2代将軍・徳川秀忠の乳母、大姥局(おおうばのつぼね/今川家家臣・岡部貞綱の娘、正心院日幸尼)の発願で、

表参道96段の石段、此経難持坂(しきょうなんじざか)は、慶長年間(1596年〜1615年)に加藤清正が寄進したものと伝えられています。
『法華経』宝塔品(ほけきょうほうとうぼん=日蓮が最も重んじた教典である法華経の宝塔の章)の偈文(げぶん=仏の功徳などを賛美する四句からなる詩)96文字にちなんで96段で、「此経難持」は、偈文の最初の4文字で、「此の経は持ち難し」の意で、仏の入滅後に法華経を受持することがいかに困難かを説いたもの。

本門寺旧本坊の奥庭「松涛園」は、小堀遠州の作庭とも伝わる名園。
幕末に西郷隆盛と勝海舟は、「松涛園」の東屋で会談をもち、江戸開城を決定したともいわれ、「南州海舟評議の処」として東京都の旧跡に指定され、「西郷隆盛と勝海舟会見の碑」(西郷従徳が揮毫)が立っています(会見の地については諸説あり、田町の薩摩藩邸という説が有力で、「松涛園」では江戸無血開城の談判の1ヶ月後、事後処理のための会談が行なわれたと推測されています)。

「松涛園」に隣接して、「 人形町今半 池上本門寺店」が営業し、「朗峰会館」での個室会食も可能。
結納、七五三のお祝いなどにも利用できます。

墓地には、狩野探幽、加藤清正、幸田露伴、力道山など、埋葬されている有名人も多数。
例年10月11日~10月13日は、日蓮の命日『お会式』(おえしき)で、12日夜には「万灯練供養」が行なわれています。
10月下旬〜11月23日は、七五三発育円満祈願、除夜の鐘は、12月31日23:00時〜鐘楼前にて整理券を配布(先着600名限定)。

歌川広重『江戸近郊八景之内 池上晩鐘』

歌川広重『江戸近郊八景之内 池上晩鐘』

天保9年(1838年)頃、歌川広重が江戸近郊の名勝8ヶ所、「吾嬬杜夜雨」、「羽根田落雁」、「行徳帰帆」、「玉川秋月」、「小金井橋夕照」、「芝浦晴嵐」、「池上晩鐘」、「飛鳥山暮雪」を描いたのが『江戸近郊八景』。
大判錦絵八枚揃の連作で、広重の代表作のひとつ。
「池上晩鐘」は、門前から池上本門寺の此経難持坂を描いたもので、総門は空襲から焼け残り、広重の描いた門と変わりありません。
総門前の道は、目黒不動まで続く目黒道のスタート地点ということに。

池上本門寺
名称 池上本門寺/いけがみほんもんじ
所在地 東京都大田区池上1-1-1
関連HP 池上本門寺公式ホームページ
電車・バスで 東急池上線池上駅から徒歩15分
ドライブで 首都高速戸越ランプから約5.4km
駐車場 参拝者専用駐車場(50台/無料)
問い合わせ 池上本門寺 TEL:03-3752-2331
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

力道山の墓

東京都大田区池上にある日蓮宗の大本山で、日蓮入寂のちに建つ池上本門寺(いけがみほんもんじ)。その境内にあるのが大相撲力士からプロレスラーに転向し、テレビ放送開始とともに大ブームを生んだ力道山の墓。その縁で、池上本門寺の節分の豆撒きにはプロレ

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

モバイルバージョンを終了