東京都西多摩郡日の出町にある名刹が、塩澤山寳光寺(えんたくざんほうこうじ)。室町時代の文明10年(1478年)、以船文済和尚(いせんもんさいおしょう)が曹洞宗の寺、寳光寺を建立したのに始まり、平成30年4月には33世となる八坂良秀住職が、青銅製、像高12mの鹿野大佛(ろくやだいぶつ)を建立、注目を集めています。
平成30年に開眼、国内2位という巨大な大仏
寳光寺の敷地内ではかつて温泉(鉱泉)が湧き、明治初頭まで「鹿の湯」として多摩七湯に数えられ、湯治客で賑わったのだとか(残念ながら現在は湧出していません)。
寳光寺の堂宇は、江戸時代〜明治時代の度重なる火災で、総門以外のすべてを焼失。
現存する諸堂は、八坂昭道住職(32世住職、禅岳昭道和尚)が、江戸時代の図面を基に七堂伽藍を築いたもの。
釈迦如来の大佛は、八坂昭道住職が、人々の安寧(あんねい)を願い、西多摩に仏教を広めようとの考えから、建立を誓願したもの。
八坂良秀住職(33世住職)の代になり、東日本大震災で、仲の良かった友達を亡くしたことをきっかけに、大仏の建立を進め、檀家などの熱意もあって、建設委員会を発足。
平成30年4月にめでたく開眼したのです。
大仏の顔も、参拝者に安らぎを感じてもらおうと、優しい表情に見えるようにこだわっています。
国の伝統的工芸品となっている山形鋳物(やまがたいもの=平安時代後期に始まった歴史ある鋳物)の技術を用い、およそ5年の歳月を費やして完成した、まさに温故知新の大仏です。
像が完成するまでの一連の作業には平安時代後期(1000年前)の技術が用いられ、100名ほどの職人が携わっているのだとか。
八角台座を基盤にして、蓮華座の上に大仏(釈迦如来)が坐しています(設計は翠雲堂)。
像高12mは、鎌倉大仏(像高11.39m)を凌ぎ、東大寺大仏(14.7m)に次ぐ国内第2位の坐像ということに。
山内は自然に包まれ、新春は蝋梅(ろうばい)、春には桜、ツツジ、そして青もみじ、初夏から夏にかけてはアジサイや蓮、秋にはススキや紅葉と四季折々の花が大仏周辺を彩ります。
お土産処「喫茶去」(きっさこ)も併設し、御朱印授与のほかに、お守り、オリジナルのTシャツ、御朱印帳、地元多摩産の材を使った商品も多数用意。
とくに「ごまようかん」は人気ナンバーワンとのこと。
画像・取材協力/寳光寺
寳光寺(鹿野大佛) | |
名称 | 寳光寺(鹿野大佛)/ほうこうじ(ろくやだいぶつ) |
所在地 | 東京都西多摩郡日の出町平井3392 |
関連HP | 塩澤山寳光寺公式ホームページ |
電車・バスで | JR武蔵引田駅から徒歩30分。JR福生駅・JR秋川駅・JR武蔵五日市駅からバスで塩澤寳光寺前下車、徒歩5分 |
ドライブで | 圏央道日の出ICから約2.5km |
駐車場 | 寳光寺・秋川霊園共同駐車場を利用(入場は16:30まで) |
問い合わせ | 鹿野大佛 お土産処『喫茶去』 TEL:080-9567-1319 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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