東京都北区滝野川4丁目にある真言宗豊山派の寺が、寿徳寺。鎌倉時代創建と伝えられる古刹で、本尊は谷津子育観音として信仰されています。新選組・近藤勇(こんどういさみ)の菩提寺で、JR板橋駅前にある近藤勇の墓は、境外墓地で、寿徳寺が管理しています。
滝野川にある近藤勇の菩提寺で、板橋の墓所も管理
新選組隊長・近藤勇は、慶応4年4月25日(1868年5月17日)に板橋刑場で斬首され、首は京都三条河原にさらされ、胴は滝野川(現・東京都北区)に埋葬されたと伝えられています。
流山(現・千葉県流山市)で捕縛された近藤勇は、処刑までの間、板橋宿平尾脇本陣に幽閉されていますが、処刑3日後に、平尾脇本陣の豊田家当主・豊田市右衛門らは、密かに葬儀を執り行ない、位牌を作ったのです。
その葬儀を行なったのが寿徳寺です。
明治政府が賊軍の慰霊を認めたのは明治8年なので、戊辰戦争の最中(5月2日には長岡藩との北越戦争が行なわれています)としては葬儀を行なうことも命がけだったと思われます。
JR板橋駅前の近藤勇の墓所は、甲州勝沼の戦いの後に近藤と袂を分かち、生き残った新選組二番隊組長・永倉新八(ながくらしんぱち/明治6年、家督を相続して杉村治備に改名、北海道に渡り樺戸集治監の剣術師範に就任)発起人となり、明治9年に造営。
墓地には土方歳三や新選組隊士の供養塔も立っています。
命日前後に行なわれる墓前での法要、『新選組諸隊士供養祭』も、この寿徳寺が行なっています。
石神井川に架かる観音橋の北詰にある谷津大観音は、平成20年に建立の境外観音。
石神井川の少し下流側には音無もみじ緑地、金剛寺があります。
近藤勇の墓所としては東京都三鷹市の龍源寺(近藤勇の生家である宮川家の菩提寺)が有名で、滝野川の墓地に埋葬されていた身体を、近藤勇の娘婿・近藤勇五郎らが肩の鉄砲傷跡を目印に掘り起こし、龍源寺に葬ったとされています。
会津若松市の天寧寺の墓所は、土方歳三が持っていた遺髪などを会津戦の際に埋葬したと伝えられています。
寿徳寺 | |
名称 | 寿徳寺/じゅとくじ |
所在地 | 東京都北区滝野川4-22-2 |
関連HP | 北区公式ホームページ |
電車・バスで | 都営地下鉄新板橋駅から徒歩10分。JR・都営地下鉄南北線王子駅から徒歩20分 |
問い合わせ | 寿徳寺 TEL:03-3909-7766/FAX:03-3909-7636 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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