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旧日立航空機立川工場変電所

旧日立航空機立川工場変電所

東京都東大和市の都立東大和南公園にある戦災建造物が、旧日立航空機立川工場変電所。昭和13年、北多摩郡大和村(現・東大和市)に軍用機のエンジンを製造する大きな軍需工場の変電所として建てられたもの。数多くの空襲を受け、壁面には機銃掃射や爆弾の破片による300以上の穴が残されています。

壁には機銃掃射や爆弾の破片による300以上の穴が!

昭和13年、東京瓦斯電気工業の工場として建設され、翌年、合併で日立航空機立川工場に。
第二次世界大戦末期の昭和19年には従業員数も1万3000人を数えるほどの規模にまで発展しています。
現存する変電所の遺構は、高圧電線で送られてきた電気の電圧を下げて工場内へと送る重要な施設です。

当時の大和村は、10回もの空襲を受け、なかでも昭和20年2月17日、4月19日、4月24日の3回は犠牲者が生まれています。
4月24日の空襲では、1800発もの爆弾が投下され、工場施設は8割方が壊滅、工場の従業員だけでなく、学徒動員された学生、周辺の住民まで111人の犠牲者を生んでいます。
窓枠や扉などは爆風で吹き飛び、空襲の凄まじかったことを物語っていますが、敗戦後も変電所は主要設備機器の更新をしながら、編み物機などを製造するように建て直された工場に電気を送り続けたのです。
工場の市外移転に伴って、平成5年に跡地が都立東大和南公園になり、変電所も取り壊しが計画されましたが、「東大和・戦災変電所を保存する会」が組織され、「若い世代には、戦争について具体的に考えるきっかけになる」、「西の原爆ドーム、東の変電所」と、保存の重要性をPR、立川工場変電所は永久保存されることに(東大和市は、平成2年に「平和都市」を宣言)。
令和2年8月〜令和3年7月にはふるさと納税なども活用して、1億3700万円をかけて保存・改修工事も行なわれ(ふるさと納税、寄付は1300万円)、2階部分への立ち入りが可能に。

旧日立航空機立川工場変電所
名称 旧日立航空機立川工場変電所/きゅうひたちこうくうきたちかわこうじょうへんでんしょ
所在地 東京都東大和市桜が丘2丁目
関連HP 東大和市公式ホームページ
電車・バスで 西武拝島線・多摩モノレール玉川上水駅から徒歩8分
ドライブで 中央自動車道国立府中ICから約10km
駐車場 東大和南公園駐車場(33台/無料)
問い合わせ 東大和市郷土博物館 TEL:042-567-4800/FAX:042-567-4166
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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